第3話 ちょっとした戦闘

 僕に色々しゃべっちゃった彼女は、泣き疲れたのか、はたまたこき使われていた疲れが出たのか寝てしまった。担いで飛ばされる前の学区に戻り、病院に彼女を預ける。先程のボスニキ発言者が、僕の目標反抗期で間違いないようだ。指示のメールに添付されていたアジトの位置へ。一見誰もいない、テナントも入っていない割には綺麗なビル。表通りに面してはいるが入り口は裏の路地のようだ。回り込んで扉を開くと、先程のチンピラ2人が見張りをしていた。支給されているスプレーで黙らせて、一気に最上階へ。よほど自信があるのだろう、ボスニキのいる部屋までに見張りはいなかった。部屋に突入(ドアを蹴破ろうとしたら普通に開いてコケそうになり大騒音)、こちらを振り返ったボスニキが気怠そうに眉を潜め荒々しく腰を浮かす。お行儀良く戦闘準備している暇はなさそうだ、秘密兵器を懐から取り出したr…

「なにしてんだ。"気持ち悪いッ"」

彼が一喝、僕の身体に衝撃が走り吹き飛ばされる。が、同時に僕の顔が熱を帯び、体中に恐ろしく鋭利な刺激が駆け巡る。僕の瞳から透明な腕が渦を描きながら伸び彼の肩を掴み、引き寄せる。吹き飛ばされた勢いはそのままに、僕と驚き目を見開いた彼の顔が近づく。

「人様を、泣かせるんじゃねえ!!!!」

僕のほとんど体当たりみたいな必殺蹴りが彼の厚い胸板に突き刺さる。表通りに面した壁にぶつかり、沈黙。その様子を尻目に、満足しながら僕は

―窓を突き破り、ビルの五階から広い空へと飛び出した・・・―

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