第2話
執務室を後にしたアシヤは乱積みされた石壁の回廊を歩きながら、彼に降りかかる厄介事について考えていた。逃れる選択肢が無く、彼一人が抱えるしかない類のものだ。アシヤに与えられた「執行人」という肩書はそれを象徴しているようだった。
この役割には羨望の念が向けられることもあるが、そのほとんどは、それがたった一人に与えらえれたという特別感だけに向けられていた。
それがただ一人に与えられるのも理由があった。
半円アーチの連窓から差し込む日差しは傾き始めていた。執政館の南東に伸びる回廊の先は石積みの円形の建物に繋がっている。この通路自体、管理官すら許可無しでは通れないと言われている。窓の向こうに見える
建物に入る扉の前に白いケープを身に着けた女が立っていた。
「アシヤ様。本日はどういったご用向きでしょうか」
「巫女様にお目通り願いたいです。数分で構いません」
「いつもごくろうさまです」と通してもらえるとばかり思っていたアシヤは、女が表情を変えず品定めするような視線を送ってきたので思わず首を傾げた。
「あの、何か不都合が?」
(もしや自分の隊服が汚れていただろうか)と不安になって肩回りや裾を見回すが特段変わった様子はない。
「いえ。それが本日は巫女様の元にお通しすることができないのです」
「えっ。そうですか……」
意外な返答にアシヤはしばし立ち往生した。
女がそれ以上語るつもりが無いようで、胸の前で手を組んで頭を下げた。その腕は心なしか震えているようにも見えた。アシヤは仕方なく会釈するとすごすごと元来た道を戻っていった。
指令を下されて遠方に向かうときは必ず会いに来るように、と言いつけたのは何を隠そう巫女様本人だった。その言葉に素直に従いアシヤは仕事の前は必ず足を運んでいたのだった。壁の向こうの石と木で出来た円形の館「
「………俺のせいじゃない。後で怒ってくれるなよ」
怒りを露わにする少女の姿が頭に浮かぶ。次に会ったときは我儘の一つや二つ聞くべきだろうか。果たして、彼女の立場がそれを許すかどうかは分からないが。
ふと視線を上げると正面から白衣を纏った男女が荷物を抱えてバタバタとこちらに向かってきた。あれは研究会の制服だった。本当に忙しいんだな、と思ってアシヤはその場を後にした。
********
「よっ。どうだったんだ?」
「テニー」
アシヤがパレスからすげなく追い返されて執政館の玄関口までやってくると、見慣れた錆色の短髪が佇んでいた。
テニー・マシケレイはアシヤに気軽に声をかける数少ない同僚だった。彼の家は先々代が身一つで都に移住してきて、日々の生計を立てるために家族全員がこの都で仕事に追われている。いわゆる労働者階級だった。この都では一部の豪族がブルジョワジーとして幅を利かせているので、後ろ盾のないものは肩身の狭い思いをしがちだ。
あらゆる階級が混在する衛兵団は、都の希望、雇用の元でありながらそうした差別の巣窟だった。
その集団の中でテニーはアシヤに通ずるものを感じたらしく――厳密にはアシヤは衛兵団の所属ではないが――折に触れて声をかけられるようになった。
「とりあえず、また遠出することにはなりそうだ」
「落ち着かないなー、本当に。そうやってお前が
「都の安全を守ってるのは衛兵団だろ」
「て言ってもなぁ。俺は酔っ払いやゴロツキの相手くらいしかしたことないし。貢献してる気がしないよ!」
執政館の東側には衛兵団本部と兵舎が向かい合っている。談話しながら二人の足はその中央に自然と向かっていた。
「テニーが一番大事なのは家族だろ。都の安全も守れるに越したことはないけど、家に貢献できればそれが一番じゃないか?わざわざ危険な仕事をやることはない」
「うーーーん。まあ、それはそうなんだけど。給料だって功績があった方が上がるだろ。なあ」
テニーは片眉を寄せてふざけた口調で続けた。
「執行人はさぞもらってるんだろうなぁ」
アシヤはその質問に立場上答えることはできなかった。笑みを浮かべてはぐらかすと、テニーも言えないと分かっているので「あーあ」と溜息をついて歩を進めるだけだった。
衛兵団本部には仕事で使う備品が保管されている。アシヤは次の出張で使うものを申請する必要があったし、仕事終わりのテニーは借用したものを返却する必要があった。
二人は本部の扉を開け、窓口に向かおうとした。そこには先客が三人居ていずれもアシヤやテニーの借り物の薄汚れた服とは違う、美しく整備された革鎧を身に着けていた。
「げ」
あちらに聞こえるか聞こえないかくらいの声量で漏れたテニーの声はアシヤの耳にはしっかり届いた。
そしてタイミング良く――あるいは悪く――三人の手続きも完了したために両者は鉢合わせた。
三人の中でも真ん中の男は特徴的な外見で遠目に見てもすぐ分かる。ライラックのウェーブがかった髪、白く染めた革鎧。濃い赤紫の瞳が嫌悪感たっぷりにこちらを睨んでいた。
こうなると分かっているので、アシヤは視界に入ればさり気なく避けるようにしていたその人は、豪族の中でも指折りの名家ハート一族の嫡男チェルシーだった。
「これはこれは、よく平然とここに入ってこれますね。ドブから来た人間とドブに通っている人間が」
その言葉に思わずテニーが前へ出ると、チェルシーの両サイドに居た男たちもズイと前に出てきた。アシヤは「テニー」と小声で諌めようとした。
「どうしたんですか?反論があるなら言ってくれて構わないんですよ?」
「............いや。俺はただ、そこに用があるだけなんで」
テニーは苦虫を噛み潰したような顔で視線を逸らした。アシヤも黙して壁に張られた伝達を見ているようなフリをした。二人は彼らが居なくなるのをただ待とうとした。
その場に一人、二人と団員が通りがかり、何事かと注目を集め始める。
チェルシーは煩わしそうに周囲を見回し、「ふん」と鼻を鳴らして二人の横を通り過ぎようとした。
「君のような者が衛兵団に、この都の中枢に気軽に出入りしているなんて。自分が汚い仕事をしてる自覚はあるんですか?」
通り過ぎ様にチェルシーが発した言葉はアシヤの耳に異様にクリアに届いた。
「巫女様の威光を借りて良いご身分ですね」
テニーが素早く振り返ったが、外に通じる扉はもう閉じるところだった。アシヤは黙って立ち尽くしていた。注目の中心にアシヤが居ることに気づいた観衆の中には慌てて踵を返す者もいる。「おい、最悪だ」と誰かの声が聞こえた。その言葉が何を差しているか、その場で察せない者はいなかった。
********
アシヤは本部の建物の陰、玄関口からも窓からも死角になる位置で手持ち無沙汰にしゃがんでいた。思いの外集まってきてしまった人々は、誰もが居心地悪そうな顔をすることになった。そしてそれはアシヤもテニーも例外ではなかった。アシヤの用事は急ぎではなく、どちらかと言えばテニーに会ったついでではあった。
「すぐ終わるからちょっと待ってて!」とテニーに言われなければ、すぐさま向かいの兵舎に逃げ込んでいただろう。
「はぁ............なんだか今日は慌ただしかったな」
いつもと違う仕事、いつもと違うパレス、いつも避けている男に出くわす不運。
中でも異色なのはやはり死刑囚の移送などという指令だろう。
「はあぁぁぁ、早く団長が帰ってきてほしいよ」
頭上から声がして見上げると、テニーが顔を見せて隣にドカッと座り込んできた。
「団長ならあんないざこざ、一瞬で収めてくれるのに」
「なんだ、団長都に居ないのか?」
衛兵団の団長ソロ・クランバインといえば、武勇で右に出るものなく、団の精神的支柱でもあり、正に都防衛の要と言える。彼の名をこの都で知らないものはいないだろう。衛兵団の中にも彼に憧憬の念を抱く者は少なくない。
彼が都を離れることは滅多になかった。
「そう、一週間くらい前かな。急に部隊を編成して都を出て行ったんだ」
「何のために?」
「俺みたいな一兵卒にそこまでは分からないって。あーただ、誰かが『討伐隊』って言ってた気がするな」
「討伐............」
何の討伐隊だろうか。
一番可能性があるのは盗賊などの無法者だろう。かつて都の南方に賊が出没したとき、衛兵団が駆り出されていたのを覚えている。ただ賊の対処に団長の部隊が一週間もかけるとは思えない。
次に可能性があるのは「討伐」と銘打った「処分」である。この都の権力者から「不要」と判断された者が消されているという噂がある。あくまで噂なので真偽のほどは分からないが。
そして考えられるのはやはり「
実際、都に戻ったアシヤには即座に次の駆除指令が下るのが常だった。それを覆させるということは、死刑囚はよほど食わせ者だったりするのか?
「俺はさぁ、やっぱり陰の指令ルートに一票だな。要らないやつを消すための」
「噂だろ、それは」
「いやいや、火のない所に煙は立たぬ。実際に人が居なくなってるんだ。それも衛兵団から何人も」
「そうなのか?」
「お前はあんまり都にいないからな。けっこう有名だよ。それも昨日今日じゃなくて何年も前からあるらしい」
「でもそれじゃあ噂どころじゃなくて大問題になるんじゃないか」
「それが違う。居なくなるのはほれ」
テニーは兵舎の方を顎で指した。
「そりゃあ豪族の子息が居なくなったら大問題だよ。けど誰とも知れない一兵卒が居なくなっても忘れられて終わりさ」
「………そうだろうな」
高い壁に張り付いて立てられた建物は、姿を隠すようにひっそりと影の中で佇んでいた。その建物ごと消えたところで、この都では誰も問題にはしないのかもしれない。
「そういえばお前はお前でまた居なくなるのか。巫女様には挨拶してきたのか?」
「いや、それが通せないって言われたんだ」
「へえ、珍しいな。ああ!豊食祭があるからかな」
「豊食祭?」
アシヤが聞き慣れない単語を繰り返すと、テニーは呆れた顔をして大げさに首を横に振った。
「お前、外に出すぎだよ。今都はその話題で持ち切りだって」
「祭り?巫女様とそれが関係あるのか?」
「そりゃあもう!あのな、
「そうだな」
「そう!そこで豊食祭だ!なんでも普段は籠っている巫女様が直々に出てきて汚染を払う儀式を執り行ってくれるらしい。相手は豪族だけだろって言われてるけど、現に都の外から話を聞いてやってくる人も居るくらいだ。そのせいで最近はそれを追い返すことばっかりやってるよ」
「ん、追い返してるのか?」
「そう。そうしろって言われてるから。流石にな全員は無理ってことなんだろうね。ただ少なくとも下の連中はちょっとした宴会にしようと準備してるよ」
「へえ。テニーの家も何かやるのか?」
「うーん。うちは母ちゃんが炊き出しを作るって張り切ってる。そんなので良いのかな?何せ祭りなんてやったことも見たことも無いからな」
「そもそも豊食祭って具体的に何をするんだ?」
「さっき言ったろ?巫女様の儀式だよ。それ以外は執政館からは何も。でも充分楽しみだよ。そうやって祭りを楽しみに待っていられるのが俺たちはラッキーだと思うね」
最後の一言を口にしてから、テニーは高揚していた表情を少し落ち着かせて口を閉ざした。アシヤは黙って頷いた。
「………何より、巫女様が見れるかもしれないしな。まあアシヤにとっては新鮮さはないかもだけどさ」
「そんなことないよ。一ヶ月以上顔を見ないこともザラだし」
「うわ。でもそうか。そうだよな。一ヶ月かぁ。うちの煩い妹だったら一ヶ月おきくらいが丁度良いんだけどな」
「だあれが、うるさい妹?」
アシヤとテニーは突如上から降ってきた声にびくりと体を震わせた。見上げると錆色の長髪を左右に下ろして割烹着を身に着けた少女が腰に両手を当てて仁王立ちしていた。
「テニー!いつまでも帰ってこないと思ったらこんなところで!」
「わぁ!エイダ!」
エイダは
「なんだなんだ。お前こんなところに来ちゃダメじゃないか」
「どうしてこんなところに来ることになったと思う?すぐに帰るって言ってたのに、すぐっていつ?」
「馬鹿馬鹿、大きな声を出すなって。今帰るよ。ごめんじゃあな、アシヤ」
「何言ってるの?お兄ちゃんの馬鹿声なんてさっきからこの辺りに聞こえてたから」
「何が馬鹿声だぁ?」
迎えに来た妹に背を押されてテニーはアシヤに手を振りながら建物の陰から出て行った。エイダはアシヤに会釈をするとあたふたと走り出し、二人ともその場からいなくなる。
兄妹喧嘩は段々と小さくなっていき残されたアシヤは少し時間が経つのを待ってから、そっと顔を覗かせて衛兵団本部前の様子を伺った。幸いにも人通りは無かったので素早く陰から出ると足早に兵舎に向かって歩きだした。
都ウッド・ユールの全容はお椀のような形状をしている。南方のお椀の底にはマナ様と呼ばれる神木が坐し、半円の石壁によって都市部とは隔たれている。石壁に埋まるように執政館が建ち、東方には研究施設および書館、西方には兵舎と衛兵団本部が控えている。書館の北方にはウッド・ユールの中では石造りの立派な建物が立ち並んでいて、所謂豪族はここに住んでいる。
これらの建物より一段下がった立地、都の北部には小ぶりな家屋が立ち並ぶ居住区がある。テニー達が住んでいるのはここである。ここは移民区画とされていて、ある程度の資源か資金を収めることができた汚染されていない人々が家を買うことができる。都に住む人間が「下の~」と言う時はここを指すことが多い。
では兵舎は何かと言えば、そうした資金が無く衛兵として稼ぐためだけに都に来た者たちの貸家のようなものだった。当然汚染の確認もされていて、居住費は給与から引かれる形になる。
アシヤが手をかけようとするより先に兵舎の扉が手前に開いた。向こうには予想外の人物がいる。
ヴァイオレットの奇麗に仕立てられた衣服をまとったサルビア女史が現れてアシヤと目が合った。
「きゃあ――!」
「!」
サルビア女史は悲鳴をあげて飛びのいて、仰け反り転倒しそうになった。アシヤが咄嗟に手を伸ばそうとすると「絶対に触らないで!」と声を上げられる。
彼女が持っていた紙切れが宙を舞い、床に落ちていく。アシヤはそれを順番に拾っていき、サルビア女史が体勢を立て直すのを見守った。
「まったく、どこに行っていたんですか?探しても見つからないので余計な時間を使いました」
「俺、汚染のチェックは受けてるんですけど」
「だから何ですか?」
「………いえ」
必要以上と思われる過敏な態度に物申してみたが効果は無かった。アシヤが差し出した紙束をサルビア女史は慎重に受け取った。今の一騒ぎが無かったかのように澄ました表情で書類に目を遣っている。アシヤは衛兵団の方が気になったが絶対に振り返らないことにした。日も落ちてきてもう夕刻である。
「管理官からの指令について補足に参りました」
「はい」
そういえば準備の申請ができていないがいつ頃出立になるのだろうか。他にも分からないことは多い。アシヤは耳を傾けた。
「あなた方に向かってもらうのは第二保護区です」
「え」
「馬車をこちらで手配しますから、それに乗ってください。手配書はこちらです。これを御者に渡してください」
「いや、第二保護区って」
「明日の早朝に東門から出立してください」
「進入禁止ですよね?………明日の早朝!?」
「ええ、そうですね」
「ええそうですね?」
ふぅ、とサルビアはため息をつく。
「保護区の中にあなたまで入る必要はありません。彼が辿り着けば良いんです」
「明日の早朝なんて、準備が間に合いませんよ」
「スケジュールは変更できません。間に合わなければその身一つで向かってください」
「保護区の前に置いていくんですか?その後どんな目に合うか分かりませんよ」
「あなたが考えることではありません。ただ役目を果たしてください。何か他に質問は?」
アシヤはこれほど質問に答える気の無さそうな「他に質問は?」を未だかつて聞いたことが無かった。
「えっと、"彼"ってことは男ですか?その人は」
「そうでしょうね。私もよくは知りませんが」
その言い方に嘘は無さそうだった。サルビア女史はシビ管理官の右腕と言っていい、公式には書記官という役職を担っているが、時には「管理官代理」と呼ばれることもある立場だ。その人が内情をよく知らないとすれば、シビ管理官とあと誰がこの件を把握しているというのか。
「これは大事なことなんですけど。その"彼"は保菌者ですか?それとも感染者ですか?」
「………」
サルビア女史は眉をひそめた。その表情はこれまで露骨に浮かべられてきた嫌悪感とは異なり、困っているのが見て取れた。
「それも分かりません。ただ感染者をまさか都に入れないとは思いますが………」
「………そうですよね」
アシヤはサルビア女史から指令書と馬車の手配書を受け取った。サルビア女史は軽く会釈するとさっさとその場を後にした。執政館の方に向かっていったのでまだ仕事があるのだろう。
それを見送ってからアシヤはようやく兵舎の中に入った。
壁に日を遮られていつも暗い兵舎の中は、夕刻を過ぎると益々暗くなる。向かって左端の部屋がアシヤに与えられた個室だった。アシヤは大体二、三週間または一、二ヶ月に一度ここへ帰ってきて、二、三日過ごすとまた居なくなる。私物もほとんど無いせいか、5年経ってもここが自分の部屋という感覚は薄かった。
隊服を脱いで、就寝用のシャツとズボンに着替える。
壁に向いた小さな机の上の燭台に火を灯すと、机上に手配書を置き、指令書を持ってベッドに腰かけ目を通す。
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指令書
担当者: アシヤ執行人
任務地:都ウッド・ユールから第二保護区オーニスまでの区間
任務内容:囚人カドを第二保護区まで移送すること。
任務期間:不明
開始地点:ウッド・ユール東門
物資支給:あり。本部から必要なものを申請すること。
報奨金:
承認者:シビ・アールバーグ
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「ん?」
アシヤは書類のある点が目に留まった。「囚人カド」とある。ここで遂に死刑囚の名前が分かった。
「カド………」
アシヤはしばらく無言でその名前を見ていた。
「あ」
陽が落ちるのは早いもので、外はもう暗くなっていた。アシヤは本部に何も申請できていないことを思い出した。
「ダメだ。諦めよう」
指令書を机上の手配書の上に置き、アシヤはベッドの上に身を投げ出した。
早朝に東門へ向かわなければならない。早く寝るに越したことはない。
(そういえば、昨日は夢を見た気がする)
寝起きに頭痛を覚えてくらくらしている中で、執務室への呼び出しのお達しが来たのを思い出す。
「今日は夢を見たくない」
アシヤは目を瞑り、すべてが暗闇に包まれた。
埃っぽく狭い部屋も、尊大な執政館も、神聖なるココリス・パレスも、マナと呼ばれる神の木も、世界に生きるあらゆる人々も、何も見えない夜の中へアシヤの意識は落ちていく。
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