第37話 入学式

 アランがマーリンに出会ってから数日、予定通り入学式が始まった


「新入生挨拶、新入生代表アリス・ワイズン」


「はい」


 名前を呼ばれた金髪の生徒は立ち上がり、演台まで歩き、代表の挨拶をする


「皆様がどのような理由でこの学園に入学なされたのか分かりませんが、私がこの学園に入学した理由は、私の親友がこの学園に入学すると決めたからです」


 そんな挨拶を右から左に聞き流しながら俺は運命の大図書館について考えている。おかげで代表の挨拶なんか全く入ってこない、その調子で入学式は無事に終わり、教室に案内された。だが一年B組32名中、平民は四人で残りは貴族だ。早く帰りたい


「俺…じゃなくて僕は君たちの担任の教師、ヅェディだ。一年間よろしくお願いします。それじゃ今から教科書を配るから各自持って帰るよに」


 アランは教科書を受け取り、すぐカバンにしまい窓から外を眺める。アランの席は俗にいう主人公席である。それ以外に言えることは何もない


「よし、それじゃあ今日はここまで解散」


 ヅェディが解散というと皆教室から離れていく、正直このままだとボッチで過ごすことになりそうだ。俺以外の平民生徒はこのクラスでは女子で話しかける度胸はないかといってこのままでは孤立する。どうしよう

 そんなことを考えつつ、俺は一番最後に教室を出て、校門へ向かって歩いているとき


「すみません。少し待ってもらえませんか」


聞き覚えのある声で、周りを見てもここにいるのは俺だけだからどう考えても俺に言ってるよな


 アランは後ろへ振り向く新入生代表のワイズンがそこには立っていた

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