第23話 冒険者
「冒険者になる気はないかい」
「は?」
俺は突然そう言われとっさにその言葉が出てしまった
冒険者になるには十三歳であることが必須条件、つまり子供が冒険者になることはできないのだ。十三といっても加護を持っているか実力がある人だけで本来は成人である十五歳以上でしかなれない
「師匠は成人年齢が何歳か知ってる?」
「アラン君が言いたいことは分かるよ、正式な冒険者というより、僕の弟子もしくは助手的な立ち位置でやらないかって誘ってるんだよ」
助手か、確かにその立ち位置なら子供でも冒険者になれるかもしれないが
「母さんが許してくれるならできるかもしれないけど」
「それなら大丈夫、事前にもう言ってあるから、それにアラン君にもメリットはあるよ」
「メリットって、具体的には」
冒険者は収入が安定するのに時間がかかる。それにメリットって一体
「まずは冒険者ギルドの加入試験に少し優位に立てる。例えば冒険者加入試験には
二つあって、一つ目は筆記・知識試験、二つ目は実技試験、この二つの試験中で知識試験で事前にどんな依頼があるのかを知れるから必要な知識も知れる」
「それだけ?」
「それだけだけど、もしかしてしょぼいとか思ってるのなら一応言っておくけど、依頼の紙は部外者から依頼主の情報を守るために見ることができないからって、人の話聞いてる」
師匠はまじまじと俺に顔を近づけてくる
冒険者になりたいが、死にかけることも増えるだろうし…ええい!日和ってどうする。せっかくの第二の人生、夢を追い求めるのならやるしかない、簡単な依頼をこなしていけばいいはずだ
「分かった、やる」
「それと冒険者は…え、今なんて」
師匠は疑い深く聞いてくる
「だからやるよ、助手」
「えっと…誘った僕が言うのもなんだけど本当にいいの?冒険者の死亡率は毎年高いのは知ってるでしょ」
「だからやるって、助手になるって言ってるの、何回言わせるのさ」
師匠はそれを聞いて驚く、やはり冗談で言っていたのだろう。だがやるは事実、
師匠は今までこういったことは冗談でも実行する人だ
「それなら今から仮登録しに行く?」
「行く」
「あ、うん…分かった。冒険者ギルドに行こうか…」
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