第20話 四大魔獣
それから森の入口へ戻り気絶している父さんを馬に乗せて、俺たちは歩いていた
「師匠さっきの魔眼についてまだ質問したいことがあるけどいいかな」
「何を教えてい欲しいのかによってくるかな」
答えられないこともあるのかと俺は驚いた。フォルティスさんは今まで魔法とかに関連する質問にはすべて答えてくれていたからだ。つまり魔眼は魔法と関係が少ないということなのだろうか
「さっき二人って言いなおしていた、もう二人の固有魔法使いは誰なの」
「…アラン君は四大魔獣は知ってるでしょ」
師匠は喋り方的にあまり言いたくないと分かる
「知ってるというより教えたのは師匠だろ」
俺はとうとうぼけたのかと思った
「そうだね、なら四体とも憶えてるかい」
「海の覇者リヴァイアサン、陸の魔王ベヒーモス、天空の王者バハムート
放浪の災害フェンリルの四体でしょ
まあ倒された魔獣なら破壊の化身ジャガーノートも入るけど」
もとは五体いたと言われているがそれは伝説上の話、ジャガーノートは本当に実座視したのかも不明だというのに3000年前にこの大陸に存在する全ての種族が死力を尽くして倒したと言われ、それを証拠に実在したと言う者と、おとぎ話だと言う者がいる
「その四体の中で魔眼を持つはリヴァイアサンとバハムートの二体、この二体も固有魔法を扱うのだけれど…」
「けれど?」
「えっとね、実際のところそれが本当なのか不明なんだ」
フォルティスは俺に目をそらしながら言う、本当に不明なのだろう
「確かに四大魔獣じたいは今どこにいるのか分からないからな」
ベヒーモスは800年前に大陸に存在した国のうち半分を一夜にして滅ぼしたと、
ほかは600年前の書物にチラっと載っているぐらいで他の魔獣も同じく全く載っていない
「アラン君の言う通りどこにいるのか分からないから、生まれつきオッドアイなのか
それとも片目の視力だけを失ったからなのか」
やはり四大魔獣は謎が多い、今まで数えきれないほどの歴史研究会、魔物・魔獣研究会が調べてきたが分かったのはごくわずか、この結果がそもそも四大魔獣じたい実在しているのかを物語っている
「今も勇者がいつ生まれるのかと騒いでいる」
「勇者?師匠、俺それ初耳なんだけど」
師匠は、へ⁉という顔をする
「言ってなかった?」
「初耳だね、ボケるのはまだ早いと思うんだけど、それより早く勇者について教えて」
その情報はもっと早くほしかった、さすがに知っておきたい
「アラン君は神託はしているかい」
「十三歳になった日に各国の首都に一つはある神殿で神からの導きを受けることだろ」
俺はまだ五歳だから神託を受けるのは八年後…先が長い
神託では神から自分に何の才能があるのかほんのりと教えてもらえるものもいれば、悩みを解決するヒントを教えてくれる。稀に神から加護を授かる者もいるが、
それは百年に一人いるかいないかという…だが、それは平民の話で合って貴族とかは違う、貴族は加護を授かりやすく魔法の才能があるものが多い
「その神託なんだけど、予言によれば勇者にしか授けられない加護が今から八年後に現れるらしい」
「その予言はいつからあったの」
「500年くらい前かな、だからかつい最近まで大半の人たちはその予言を忘れたんだよ」
勇者か、八年後となると俺と同い年か…もしかしたら転生者かも
「その勇者は何かするの」
「……えっと、なんか世界をひっくり返すとは聞いてるかな」
嘘だな、師匠は嘘をつくとき目をそらす上にわざとらしい言い方をする。だけど乗ってやるか
「そうなんだね、勇者か強いのかな」
「それは会うまで分からないから、だけど加護があるから多分、おそらく、十中八九強いと思う」
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