第19話 捜索
「どこを探してもいない、師匠も魔力探知で何か反応した?」
「いや、どこにも反応がない。もう死んでるかもしれ」
「師匠、あれ」
アランは湖につながっている川に指を向ける
「あれは、ハエの群れ…もしかして」
アランとフォルティスはハエの群れまで走ると六人の死体が見つかった、一人は身なりがよく人質の貴族役の人だったのだろう
「人間の死体、師匠の予想が当たったね」
「そうだね、見たところ暴れた様子もないうえに首にだけ傷がついている所から、何者かに不意打ちで殺されたとみてよさそうだね」
「師匠、埋めたほうがいいかな」
「燃やすべきだね、ここは魔力が濃いからアンデットになるかもしれない、骨も灰になるまで燃やそう、アラン君はなれて、ファイア」
師匠は死体を燃やし始めた、焼かれるしたいの臭いは焦げ肉どころか腐ったにいも混ざっていて、何とも言えなかった
「師匠、この人たち強かったのかな」
「分からないよ、だけど強くても弱くても人は油断している隙を突かれた簡単に死ぬそれが人間なんだよ」
師匠に神力のことやアレスのことは話すべきなのか今も迷っている、「迷ったのなら撃つな」というセリフがある以上まだ話すべきではないと思っていた。だがさっき師匠が来なかったら俺は死んでいた、少しでも強く知識をつけるために…
「師匠、話がある」
俺は師匠にアレスのことだけを話した
「神の名をもつ魔法なんて聞いたこともないよ、さっき僕も唱えてみたけどイメージできていないから使えないし、アラン君ちょっと使ってみてよ」
「俺もさっきやってみたけど発動しなかったよ」
神力のこともあるのだろうが女神の発言から察するに名を唱えたとき神が応えないと発動しないのだろう。だけど一番気になるのは
「師匠、魔眼ってなに」
俺は女神に自分の姿を見せられたときめのいろも変化していた、そしてアレスが 使えない今もこうして残っている唯一の手掛かり
「魔眼は簡単に言うとその人の才能だね、今のところ発見されいる種類は七つだけでその中のうち四つ…いや二つというべきかな、それは固有魔法使いが目覚めている、だけどアラン君みたいに両目とも違う種類の魔眼に目覚めるなんて事例は今までの 歴史上、誰一人としていない」
固有魔法か、あの暗殺者も言ってたな文字通りその人物だけが使える魔法と考えるべきか、それより魔眼の残り三つが一体なんのなのか
「師匠、残りの三つは何なの」
「残りの三つは神からギフトをもらい使徒になった人間、戦場で死にかけた人間、 世界を救った人間の三人が目覚めたってのが一番有名な話だね」
「話ってことは本当にいたか分からないってこと」
「そうだな~確かにほとんど伝説になっているけど最後の世界を救った人の話は史実だよ」
世界を救った人間か、この世界にはエルフとか獣人といった人間に近い種族も存在していて、どれも特徴的な見た目をしている。それと人間より強いのが多いから人間が救ったのが珍しい、さっき使徒とという単語が出ていた。俺も神力とかで使徒と呼べるのかもしれない
「師匠そろそろ帰ろう」
「それじゃ馬まで歩こうか」
女神はなぜ俺に神力を与えたのだろうか、それに俺を転生させた理由は慈悲と言っていた。精神力も思春期の若者は不安定なのに…年齢が俺と同い年が条件なら病気や事故で死んでしまった人でもよかったはず、…いやまず家に帰ることだけを考えよう
もし俺みたいに転生したいがために自殺しようって考えるやつがいるならそいつは馬鹿だな、なんていったって基本的な転生ものは誰かをかばったとか、病気とか事故とか言った理由なのだから
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