第18話 制御
「ア、くん…アラン君!」
目が覚めたら師匠が俺の名前を叫んでいた
「やっと気が付いたかい、解毒魔法が効かなかったのかと」
「それって、俺よりも自分の魔法の性能を心配してるよな」
「そんなわけないだろ、それより本当に大丈夫かい立てる?」
師匠は横になっている俺に手を差し伸べる
「いや大丈夫、一人で立てるよ」
俺は体操すわりから置きおがるように立つ、今思い返すと半分拷問みたいなもんだよな
それよりも師匠はさっきから俺と目を合わせようとしない、なんでだろう
「それより師匠、あそこで燃えてるのは何」
「これ、これはね…えっと、その」
とても気まずそうで答えにくい質問だろうか
「これは、僕が殺した宮廷魔法使いの死体です…」
「は?」
なにこれ、つまり正真正銘の人肉バーべキューってこと…
「いくらなんでもグロ過ぎない、いや焼けてるから分かりにくいけど結構きついよ」
いやまてよ、その場合日本の火葬もグロいってことになるな
「やっぱ何でもない前言撤回するよ」
死者が安らかに眠ったと考えよう
「それで師匠は俺の救難信号に気づいてくれたんだな」
「明らかにウォーターボールに込める魔力量じゃない上に僕の顔にかかった後君のお母さんがずっと君のことを探していたからね」
「そうか、母さんが…かえったらあやまらなきゃな、それよりも師匠…助けてくれてありがとな」
「弟子のためなら当然のことだよ、この話は置いといて、アラン君その魔眼は制御できたりする」
師匠はめっちゃ不安そうに聞いてくる。魔眼って女神の鏡で見たやつか
「やってみる」
目に流れる魔力量を減らす。減らしすぎると視力が落ちるから一般人並みに…
「師匠ごめん、無理」
「そっか、無理か」
師匠は天を仰ぎ、内心笑っているようにも見える
「アラン君、目に魔力の膜をはろう」
「分かった、はったよ」
「よし、なら膜に魔力を僕がいいよって言うまで込めて」
言われた通り膜に魔力を込め続ける
「いいよ」
「師匠、これ目が全く見えない」
俺の視界はなんとか色を判断できる程度になってしまった
「それはアラン君が層を重ねすぎてるからだよ、今のアラン君の目には
「分かった」
この世界に質量保存とかの法則が魔力に働かないことを願って…
少しずつ一つにまとめて…
「どう、師匠うまくいってる?」
「うん、その調子だよ」
助けに来たときはアラン君は髪色も変わっていた、だけど少したったら元の黒髪に戻ったけど、目の色は戻ろなかった…やはり魔眼って考えるべきか…
「師匠、これでどう」
「成功だよ、って目の色まで戻ってる。どうやったの」
師匠は驚いている、演技でもない本当に心から驚いている
「分かんない、なんか戻ってた」
人間もそうだけど全ての生物が認識する色は光によって見ることができる、魔力で反射を調節すれば色も変えられる
「そんなことよりも父さんは無事なの」
「うん気絶してるだけだから結界をはって馬と一緒にいるよ」
「なるほどなら」
アランは池の方へ足を運ぶ
「まって、アラン君なんで池の方へ向かっているの、そっちは家の方角じゃないよ」
「探さなきゃいけない人がいるんだよ」
「探すって誰を」
まったく鈍いな
「父さんが自作自演をするために用意した人に決まってるだろ」
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