第9話 聞いちゃった
「レステル男爵は有能な者に目がない」
夜なのに珍しく騒がしいから俺に兄弟でもできるのかと思ったら聞きたくもないことを聞いちゃったなどうしたものか
こういうことは
「ということが昨日の夜に合ったから相談に来たんだ、フォルティスさん」
「いつも来ない日に来たと思ったらそういうことね」
言ったらダメだろうが流石に黙ったままでいるわけにはいないしな
「アラン君がピンチになったら助けてくれるとは言ってもアラン君はまだ五歳、兵士が手加減した一撃でアラン君が死んでしまう可能性もある」
「だからどうするべきか相談しに来たんだ」
「どうするべきといってもアラン君はどうしたいの」
「どうするも何も父さんに俺がまだ子供だと思ってほしい」
父さんは俺をもう一人前の剣士とか思っている可能性がある。もしそうならどうにかしてまだまだ幼い子供と思わせて起きたい。
まさか今まで母さんとの口げんかにボロクソぬ言われて撃沈していた父さんが母さんを丸め込めるなんて…母さん完全に膝が落ちてたから父さんを止めることはできないだろうな
「フォルティスさん。なにかいい案はない、このままじゃ俺が強制的に戦わされる羽目になりそうだしさ」
「この時点で戦いはもう避けられないから大人しくやられておくのが一番いいと思うよ」
「だよなぁ…」
俺が何もできずにボコボコにぶちのめされているところを見せるのが一番早い
「もしもの時は僕も助太刀に行くから、ギルマスには僕から伝えておくからね」
確かに衛兵も騎士もレステル男爵が治安維持の名目で出してるから連絡をもらっていてわざととすかもしれないしな、だったら貴族や平民の中立的な立場の冒険者ギルドに頼るのが一番
「関係ないことだけど聞いてもいい」
「どうしたのアラン君」
「フォルティスさんの首の左側に刻まれてる十字架のあざって何なの」
まさか中二病か。赤黒い色で紅色的な感じなところが中二病っぽい
「これはね…ちょっと複雑な事情なんだけど、えっと、実は魔法を使って犯罪をしちゃってね」
「魔法を使った犯罪?」
魔法を使った犯罪は多種多様だ。念動魔法で窃盗や幻影魔法で姿を隠して暗殺もできる。ほかにも補助魔法の効果を逆手にとって殺すこともできる
「それで首の痣は戒めなんだよ。これで使える魔力量が制限されている」
なるほど、どうりで魔力視で嫌な色に光って見えるわけだ
魔力感知ができるようになり、魔力を視認できるようになった。フォルティスさん曰く魔力感知は自身を中心に同心円状に広範囲の魔力を感知することで、俺の場合というかほとんどの魔法使いが最初に習得するのは魔力感知らしいが初めて習得して使ったばっかりだから範囲の調節ができず。膨大な量の情報に脳が耐えきれないため強制的に魔力視になるらしい
「制限、その犯罪に使った魔法を封印するとかじゃなくて?」
「魔力を制限させた方が使える魔法の数や種類が減るからね、合理的な手段だよ」
「つまりフォルティスさんは本当はもっと強いってことか」
「さあ、どうだろう」
絶対強いじゃん、なるべく敵に回さないようにしよ
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