第3話 愛
「つまり、血が繋がってないってコト?」
両親は無言で頷いた。
ずっと一緒に過ごしていた両親と、本当の家族ではないという事実。
それが何だというのだ。
私は知っている。
母が毎日どれほど私のことを心配しているか。
風邪を引いて寝込んだ時は隣で手を握ってくれる母の優しさ。
父が毎日どれほど頑張って働いているのか。
毎晩遅くまで仕事をしても帰ってからは愚痴の一つも溢さない父の気遣い。
両親がどれほど私を愛しているのか。
それを私は知っている。
だから私は血の繋がった本当の子供じゃなくても、私は両親を最高の家族だと言い切ることができる。
私はその意志を瞳に宿し、まっすぐ両親に向けた。
両親は私の目を見て瞳を潤ませ、また目を伏せた。
そして父は意を決したように口を開いた。
「お前は、実は人間じゃないんだ」
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