第4話 現実

「人間じゃない……?」


 これには私も驚くしかなかった。

開いた口が塞がらないとはまさにこの事だろう。

信じられないという表情を見せる私に両親は落ち着く時間を与えてくれた。

父が言うには、ここは私が作り出した空想の世界らしい。

現実の私は言葉を発することもなく眠り続けている、と。


 そんな悲しいことがあるだろうか。

もしそれが現実なのであればこれまで私が見て来たものは何だというのだ。

青春の日々を過ごした学校生活も、母と繋いだ手の温もりも、父の積み重ねて来た努力や苦労も、全て噓だったというのか。


 私は信じられない、というより信じたくなかった。

だから私は聞かざるを得ない。

私は何者で、誰から生まれて来た存在なのか。


「箱太郎、お前の本当の両親は……」

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