親と子の愛情に関する話です。
この話の一番の特徴は無理矢理に読む人の思い出になろうとしてくることです。「あなたは」という主語で語られるありもしない記憶を押し付けてきます。その姿勢がすばらしかったです。
なぜならこの書き手は無理矢理に読む人の思い出になるに足る人だからです。主語を「あなたに」設定すると例えば性別、出身地に関すること、自宅の様子などは書けないし、その他にもさまざま書くと違和感を覚える設定がありますがすべてクリアしています。そこにしっかりと気遣いを感じます。
また押し付けられた思い出は最初に夜という恐ろしさを印象付けつつ紐解いてみればすごく優しくて暖かいものでした。心に受け入れるべき思い出です。
すごく良い手法でした。書き手のやりたいことを押し付けるためにきちんと書いている良作です。読み易いのでレビューを見た方はぜひ体験してみてください。
ぜひこれからも作品を通してご自身を押し付け続けてください。