第8話
「対戦、開始!」
「【ボルト】!」
「じゃあこっちは【バリア】!」
「くそっ…このスキルを使うしかないか…『スキル』【ボルテッカー】」
大きな雷雲が空にできた。
そこから黄色い丸い光が俊に向かって飛んでくる。
「やばっ!」
その黄色い光に当たると一瞬で焼け落ちる。
その黄色い光は徐々に大きくなり…
最終的には3m~4m程になる。
だが…
「でかっ!なんでこんなでかいんだよ!」
雷の場合は違った。5mほどあった。
だが俊も自分に【脚力】と【スピードアップ】と【限界突破】を使い自分の足を早くし、かわしていく。
「くそっ、俺もスキルを使うしか…」
「ピー!ストップしてください!」
「「え?」」
会場全員がきっと頭の上にクエスチョンマークを浮かべただろう。
「今から科目に【アタッカー】を追加する。そして、雷選手を【アタッカー】とし、俊選手を【守備】とする!」
「「は?」」
皆がそう思っただろう。
新しい種目が追加されるという噂はあったものの、それはただの平民の予感に過ぎなかった。
「待ってください!俺は守備になりたくて守備になるために治癒魔法とか結界とかいろんな魔法覚えて!なのに勝手に正々堂々戦っている途中にそんなことで他の科目でトップとったことにしないでほしいんですけど!しっかり俊と戦って負けたらそれでも満足しますけど正々堂々戦ってる途中じゃないすか!」
「アタッカーについてあまり説明していなかったな。アタッカーの役割は、主に敵と戦い、最後の一撃を魔法や武器で叩き込むこと。最後の一撃までは守備と変わらない。不意打ちを防ぎ、守備の魔力が尽きてしまわないように分けたり、自分が治癒魔法を使ったり、結界を張る手伝いをしたり。チームのリーダーとも言える。どうだ?悪くないだろう?」
「でも…僕は守備をやりたい。守備としてパーティーに入りたい。そのために勉強して、訓練して…なのにここでこうして夢を破られるんです。僕の気持ちも考えてください」
この言葉から、雷がどれほど守備にこだわり、守備になるために頑張ってきたかが感じられた。
「では、採点的に雷選手が守備になる。なので俊選手は敗北。その結果になるが良いか?」
「いいえ。俊にアタッカーを任せてください。そうすればきっと俺よりも働いてくれます。それが無理なら俺は棄権します」
「ら、雷…お前は何でそんなに守備にこだわるんだ?」
「守備が…一番…俺に合ってる…」
「そうか。じゃあ俺がアタッカーをやります。なのでどうか、雷を責めないでやってください。俺からもお願いします」
「わかった。では雷選手を守備、俊選手をアタッカーとして公式に認める!」
ワー!
歓声と大きな拍手が上がった。
次は剣士科。
いよいよ中村の登場である。
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