ねぇねぇ、ねるの、すき?


ねぇねぇ、ねるの、すき?



わたしは、だいすき。



寒い冬。


ふかふかのお布団にもぐりこんで、猫みたいに手足を丸めながら毛布にくるまるのが、すき。




暖かい春。


敷き布団の上でお行儀よく気をつけしたところに、ママに手触りのいい薄い布団をふうわりとかけてもらうのが、すき。




暑い夏。


冷たいフローリングの上に転がって、お腹に一枚タオルをのせたまま、大の字で風に吹かれるのが、すき。




涼しい秋。


半年前にしまいこんだ羽毛布団を、干してふかふかになったところに抱きついて、うつらうつらするのが、すき。




旅行先のホテルで。


大きい高級そうなベッドの上で、翔んだり跳ねたり、そのまま遊び疲れてくったりするのが、すき。




田舎のおばあちゃんちで。


畳の上に敷いた布団にうつ伏せに横たわって、いぐさの香りをかぎながら、虫の声を聞くのが、すき。




林間学校で。


堅い二段ベッドの上と下で、友達とコツコツ叩きあって、まだ起きてる? って確かめあうのが、すき。




彼氏の家で。


ゴツゴツした腕に頭をのせて、温もりに安心しながら、たわいもない話を囁きあうのが、すき。




一人自宅に帰って。


楽な寝巻きに着替えて、今までのことを思い出しながら、今日にさよならするのが、すき。




私のベッドで。


時間も空間も飛び越えた夢の世界で、きっと今日より輝いている明日を迎えるのが、すき。




今日は、夢の世界で、あなたに会いたい。




あなたは、ねるの、すき?





投稿日時:2013年02月06日 01:14

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