次は貴方の番かもしれない
週末、そして2日の出張明け、久しぶりに事業所に出た港。
オフィスに違和感。
「高橋が消えました」
「南も消えました」
「近藤もやられました」
向かいの席の熱海に聞くと、今週になってから次々と消されているのだという。
何人消されたかはわからず、総務が全力をあげて調査しているのだが、港のように事務所にいないものもいて確認は進まない。
その上「昨日は大丈夫だったものが今日消えた」ということもあり、さらに混乱している。
と、総務が隣に来た。
「横谷くんはいる?」「見てません」
「そうか……横谷くんも消された可能性があるから確認しにきたんだけど」
「横谷まで……」
自プロジェクトからはじめて消えた人が出たということで熱海が険しい顔をする。
限られた一部のプロジェクトの人のみ消えていくという可能性が消えた。
「大げさだな」
苦笑する港に熱海は苦虫を噛み潰したような顔で言う。
「実際おおごとなんだよ。物理的に外部犯の可能性がないことだけが救いだが……」
「次に消えるのはお前かもしれないぞ」
「ははっ、まさか」
笑いながらパソコンを立ち上げる港。
その画面には「User is Not Found」
「ああああああっっっっ!」
「おっ、港も消されたか、ユーザーアカウント」
投稿日時: 2013年05月05日01:41
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