(無題)

7月20日



休日なので起きずに布団の中でうだうだしていたが……


セミが妙にウルサイ……


……

…………ハッ!?


な、なんと枕元にセミがっ!!


この至近距離、そりゃうるさいはずだ……



追い払おうと窓を開けてはたきではたいたら、俺めがけて飛んできた……!



ギャアアァァァ!!




朝からろくでもない。


俺は部屋にセミを連れ込んだ犯人を睨み付ける。


「うにゃ?」


小首をかしげるように小さく鳴く、飼い猫マル。



……許した。






7月26日



蒸し暑い日。


寝ている俺の顔に何かが触れる。


冷たいけど、ちょっとぬるぬるしていて、吸い付くような……


手で軽く払おうとすると、何か小さい、ゴムみたいなものが跳ねた……


……

…………ハッ!?



顔にカエルっ……!?



慌てて捕まえて、これも窓から逃がした。




「ゴロゴロゴロゴロ」



マルは素知らぬ顔で毛繕いをしている……



かなりびっくりしたけど、まぁカエルは嫌いじゃないし、許そう……ちょっと気持ちよかったし。




8月1日



枕元に気配がする。

またマルがいたずらして、何かを持ってきたのか?



「ぐるーん、ぐるーん」

少し興奮した鳴き声と、何かをこするような音。



あぁ、いつものマルのイタズラだ。


マルは猫草を引っこ抜くのが好きで……



ちょっとまて!?


今猫草は切らしていたはず……



枕元にあるのは……




「マル、やめ「ギャアアァァァァ!!!!」





……チーン。


枕元に植えてあったのはマンドラゴラ……




俺とマルは、その後三日ほど生死の境をさまよったのだった……






2013年08月01日01:26

※三題噺:カエル、セミ、マンドラゴラ

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