第3話 箱の恐るべき真実と決別
賢人は図書館の片隅で、埃を被った古い新聞記事を見つけた。
「50年前の怪奇現象...?まさか、あの箱とつながりが...」
そこには、人々の欲望を叶える不思議な箱の存在と、それに振り回された人々の悲惨な末路が記されていた。
「これは、俺への警告なのか...?」
賢人は背筋が凍る思いだった。
自分と同じように、箱に魅入られた者たちは皆、最愛の人を失い、破滅への道を辿ったのだ。
賢人は美雪に会いに行った。
真実を話し、謝罪しなければならない。
「美雪、俺は間違っていた。ごめん...」
だが、美雪は冷たい眼差しを向けるだけだった。
「もう遅いわ。あなたが変わってしまった今、私にはあなたを愛することができない」
そう言い残し、美雪は賢人の前から姿を消した。
絶望した賢人は、箱を手放す決意をした。
「もうこんな力、いらない...!俺は自分の力で夢を叶えるんだ」
賢人は箱を抱えて、再びゴミ捨て場に向かった。そこで箱を地面に叩きつけ、粉々に砕こうとした。
しかし、箱は砕けるどころか、逆に賢人の手に吸い付いてきた。
「な、なんだこれは...!離れろ、離れろよ!」
賢人は必死で箱を振り払おうとしたが、箱は彼の生活に欠かせないものとなっていた。
まるで、賢人の一部になったかのように。
「こんな...こんなのって...」
賢人は絶望の淵に立たされていた。
彼は箱の呪縛から逃れられるのか。そして、失ってしまった大切なものを取り戻すことができるのか。
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