第2話 箱に心酔し、傲慢さに目覚め破滅へと向かう

不思議な箱のお陰で彼女ができ、テストで満点を取った賢人は有頂天になっていた。


「ハハハ、これであの箱は本物だと証明されたな!」


高笑いしながら、賢人はその後も次々と願い事を箱に書き込んだ。


高級車、一軒家、大金。どんな欲望も叶えられると確信した賢人は、もはや止まることを知らなかった。


しかし、願いを叶えれば叶えるほど、賢人の心は歪んでいった。


「俺には、この箱の力があるんだ。誰にも逆らえやしない」


賢人は周りの人間を見下し、脅し始めた。


美雪に無理矢理キスをしようとしたこともあった。


「山田くん、どうしちゃったの...?怖いよ」

美雪に涙ながらに訴えられても、賢人は耳を貸さなかった。


ある日、賢人は両親が離婚することを知った。


「なんだと...?こんなの許せない!」

怒りに我を忘れた賢人は、箱に両親の仲直りを願った。


だが、その晩、両親は激しい口論の末に家を出ていった。

「どうして叶えてくれないんだ!このクソ箱が!!」


賢人は泣きじゃくりながら、箱を叩きつけた。


翌日、賢人のもとに美雪から別れを告げるメッセージが届いた。

「私、あなたのことが怖くなったの。さよなら」


大切な人を失い、後悔に苛まれる賢人。だがその目は、まだ箱から離れることができずにいた。


「もう一度、願ってみよう。何もかも元通りになるはずだ...」

賢人は震える手で、もう一度ペンを握った。


果たして、賢人の運命は変えられるのか。箱の謎が明かされる時が、迫っていた。

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