不思議な箱【KAC20243】

藤澤勇樹

第1話 不思議な箱を手に入れ、願いを叶える力を試していく

山田賢人は、いつものようにゴミ捨て場の脇を通り過ぎようとしたとき、不思議な箱を見つけた。


ボロボロの段ボール箱に、何か惹かれるものを感じた賢人は、思わずその箱を手に取った。


「こんなところに捨ててあるなんて、もったいないな」


賢人は独り言をつぶやきながら、その箱を開けてみた。


すると、中には一枚の紙が入っていた。


「願い事を書いてください」


そう書かれたその紙を見て、賢人は目を丸くした。


「どうせ誰かのイタズラだろうけど、面白そうだな」

好奇心旺盛な賢人は、持ち歩いているペンを取り出すと、その紙に願い事を書き込んだ。


「彼女ができますように!」

そう書いた瞬間、不思議な光が箱から漏れ出した気がした。


しかしすぐに消えてしまい、賢人は首をかしげるばかりだった。


翌朝、教室に向かう賢人の前に、一人の女の子が現れた。


黒髪ロングヘアーに澄んだ瞳。いつも気になっていた同級生の美雪だった。


「おはよう、山田くん」

美雪は屈託のない笑顔で賢人に話しかけてきた。


いつもは全く目もくれない美雪が、賢人に話しかけるなんて。

「お、おはよう…」


賢人は動揺しながらも、昨日の願い事を思い出した。

(まさか、あの箱のおかげなのか!?)


信じられない気持ちでいっぱいになりながらも、賢人はこの力をもっと試してみたいと思った。


放課後、人気のない教室に籠もり、賢人はまた箱を開けて新たな願いを書き込ん


「次は、国語のテストで満点を取れますように!」


はたして、この不可思議な箱の力は本物なのか。賢人の実験はまだ始まったばかりだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る