2,姫路
僕は彼(あるいは彼女)のことをどう扱っていいかわからない。そも性別も不明で、メタ
そうあってほしいという僕の願望は抜きにしても。
「紺ちゃん、聞いた? 例のペンギンの話」
「聞いたよ。ペンギンに食われて僕のペンギンが破損したって話だろ」
「ウン、タッちゃんから紺ちゃんにも声かけたって聞いたからさー」
タッちゃんって。
呆れる一方、僕のことも最初から「紺ちゃん」呼びだったことを思い出して、僕は三次元で頭を掻いた。ああもう! 姫路に聞こえないところで息をつくと、僕は情報を得るべくチャット欄に猛然と文字を叩きこむ。
「で、ペンギンに心当たりは? 僕はないよ。自分のデザインした動物の数は覚えてる。それ以上にペンギンが出てくるとしたら、何らかのバグだ」
「
「いたずら?」
「最近いるじゃん、荒らし」
姫路は
「
歯に衣着せぬ物言いは愛嬌に入るだろうか? でも僕は姫路のこういうところが嫌いじゃない。
「ありえなくはないじゃん? あそこ治安良いし評判も良かったから
しかし展示物を破壊するとなればちょっとしたテロ行為だ。三次元に置き換えたときの被害額を考えると半端じゃない。デジタルで済んでよかったのかもしれない。
「いや、よくなくない?」
姫路は足を組む(これも自分で組んだモーションだという)。
「よくないよ、自分の仕事で動いた額考えなって。しかも
「……そっか、そうだね」
「で、そろそろ約束の時間だ、行くよ紺ちゃん」
「うん」
姫路といると、僕はずっと姫路に
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