第24話・救出?とご褒美
遭難者を第三層のボスエリアで救出した後、増援の警備隊や風紀部隊が到着。
彼らは手際よく遭難者をタンカーに乗せて離れてく中、見知った顔に声をかけられた。
「氷室さん、彼らの救助していただきありがとうございます!」
「ん? ああ、そういえばいたな」
「ええ!? ワタシの事を忘れていたんですか!」
「えっと、まあ……」
「ひどいです!」
わざとらしい嘘泣きをするなよ。
俺に絡んできたのは茶髪でポニーテールの少女こと地上。
てか、さっきよりも態度が軟化しているのは気のせいだろうか?
「まあでも、今回の救助の功績はお前につけとくように警備隊の
「ええ!? なんでですか!」
「なんとなく」
名家の令嬢を助けたとなると面倒な奴に絡まれるかもしれないからな。
ただそのことを正直に言う必要はないので、適当な理由を地上に伝える。
すると彼女は唖然としながら口を大きく開けた。
「な、なんとなくで功績を渡すのですか?」
「うん。てか、俺達が
「それは……」
「なら功績を渡すのも自然じゃないか?」
「えっと? そうなんですかね」
とりあえずこのまま上手く流したいな。
俺は表向きは詐欺師みたいな言い分を彼女に言っていると、周りを警戒していたアイシアがコチラに戻ってきた。
「ダンナ、遭難者は全員運び出されたみたいよ」
「そりゃよかった」
「ええ! あ、アタシ達もそろそろ撤収する?」
「特にやる事もないしそうするか」
「了解!」
ドロップアイテムの回収も終わっている。
それなら
そう思いながら俺達もダンジョン内から撤収するのだった。
「本当にこれでいいんでしょうか?」
……無視無視。
地上に帰る時に地上が何か呟いていたが、あまり聞きたくなかったのでスルー。
ただ彼女の視線が怖いので、俺は気を紛らわせるためにピカピカ光っているダンジョンの天井を見上げるのだった。
ーー
学生寮・305号室。
とりあえず我が家に帰って来て一通りやる事が終わったが……。
いきなりアイシアにベットに押し倒されてしまう。
「え、ちょっ!?」
「今日もアタシは頑張ったわよね!」
「お、おう。アイシアのおかげで色々助かりはしたなや
「フフッ、ならご褒美が欲しいわ!」
「待て待て!? うおっ!」
上下ジャージのアイシアに力強く抱きしめられる。
その時に柔らかい感触があり、俺はドキドキしているとアイシアは何を思ったのかニヤッと笑う。
「すごいドキドキしているわね」
「そ、そりゃな……」
「いい加減慣れてくれてもいいのにー!」
「む、無茶いうな」
いつもは硬い鎧姿だったのでなんとか耐えられた。
ただ、今は互いに寝巻きのジャージ姿なので色んな意味でやばい!
俺はそう思いながらアタフタしていると、アイシアがにしたまま。
「アムッ!」
「ちょっ!? み、みみは……」
「ムフフッ!」
耳を甘噛みしてきた!?
しかも俺の耳をちょうどいい噛み加減でハムハムしており、思わず体の力が抜けていく。
「これは……」
このままだと完全に落ちる気がする。
それは流石にダサいので、俺は気持ちを強く持つ為に歯を食いしばるのだった。
〈描写カット〉
アイシアに耳を甘噛みされたり頬を舐められた後。
トドメのディープキスで完全にノックアウトしていると、彼女は満足したのかホールドを解いた。
「今日はこれくらいにしておくわ」
「お、おう」
「ダンナの初めては
「……マ?」
朗報、来年の誕生日に俺は童貞ではなくなる。
自分の中でアホみたいな事を考えていると、アイシアは唇を舌でぺろっと舐める。
その時の姿が色っぽく、俺はドキドキしながら目を逸らす。
「いつもの尖っているダンナもいいけどこういう時は可愛いわよね」
「か、からかっているのか?」
「うーん、半分はね。ただ残りは純粋に好きだからやっているのよ」
「お前な……」
今までに感じなかった暖かさ。
アイシアから与えられた暖かさに嬉しくなっていると、向こう何かに気付いたのかまた顔を近づけて来た。
「えっ、ちょっ!?」
「動かないでよ」
「ッ!」
今度は右目の近くを舐められた感覚。
何が起きたかわからないので頭の中が真っ白になる。
すると俺の顔から離れたアイシアが満足そうに頷いた。
「この涙は美味しかったわ」
「へ?」
「フフッ、ダンナってやっぱり可愛いわ!」
「いきなりなんだ!?」
よ、よくわからないがアイシアが満足してくれてよかった。
自分の中でよくわかってないが、彼女の抱擁がさらに嬉しくなっていく。
「これからも末永くよろしくお願いするわね」
「お、おう……。コチラこそよろしく頼む」
「ムフフ! ええ、もちろんよ」
あ、やばい。
アイシアの目が肉食獣のようになったぞ。
内心でヒヤヒヤしていると、案の定アイシアに追加のディープキスをされるのだった。
まあこれも、外でやられるよりは恥ずかしくないか。
「フフッ、もう一回」
「ま、まだ終わらないのかよ」
「もちろん! あ、ちゃんと息は整えてね」
「え?」
ドユコト?
よくわからないが息を整えていると、今度のキスはさっきの倍くらいの時間になってしまい。
酸欠になりかけたのはここだけのお話。
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