第23話・無限再生なんで面倒ね!
〈アイシア視点〉
ボロローブと戦い始めからそこそこ時間が経つけど、持久力がやたら高い。
「ダンナの方もキツそうだし早く決着がつけたいわね」
「カタカタッ!」
「あーもう! 何回も再生するのやめてほしいわ!」
確かにアタシは戦いが好きだけど!
無限に再生する相手に飽きてきたので、そろそろ決着をつけたいところね。
てか、ダンナの方は大丈夫かしら?
「クソが! ほんといい加減にしてくれよ!」
「なんだかんだダンナは余裕そうね」
ダンナは一応ソロでもダンジョンに潜れる実力者。
それだからガイコツ兵の群れに対して、焦っているようには見えるが対処はできている。
「ガタガタ!」
「フフッ、アタシも頑張らないと」
「ッ! ガタ!?」
ボロローブの大鎌攻撃に対してアタシは魔力で強化した片手剣を使い弾く。
そのまま流れるようにホーリー・ランスを放つが、相手が半透明なバリアを展開して防いだ。
「ほんと厄介ね」
ガイコツ兵のほとんどはダンナの方に行っている。
アタシVSボロローブの
「ガタガタ!」
「悪いけどお遊びは終わりよ!」
「ガタッ!?」
これ以上はダンナにも迷惑がかかるわ。
アタシのいちばんの幸せはダンナと一緒にいる事。
最初に召喚された時に見た戸惑いやたまに見せる笑み、色々振り回してもなんだかんだ付き合ってくれる。
「そのためにアンタには踏み台になってもらうわ!」
「ガタガタ!」
「もう無駄よ! 光天流・エックスレイ!」
「ガタガタ!?」
コイツの弱点もわかったし、この一撃で決まり!
アタシは光属性の魔力を纏わせた片手剣でX型になるように二連撃を放つ。
X型に切り裂かれたボロローブはブロックで切り裂かれ、そのまま紫色の煙になって消えた。
「「「ガタガタッ!?」」」
「あ、アンタらは消えないのね」
「「「ガタガタ……」」」
「な、なんか可哀想だな」
取り残された感じのガイコツ兵。
その姿にダンナが生暖かい視線を向けているので、アタシは苦笑いをしながらガイコツ兵を倒していく。
「やっぱりダンナは面白いわ」
意外と表情がわかりやすいところも好き。
というか、アタシのタイプすぎるので
その運命に喜びながら、アタシはダンナに対してどう襲おうか考えるのだった。
ーー
〈霧也視点〉
傷だらけだが大きなダメージを負ってなさそうなアイシア。
彼女に回復ポーションを渡そうとしたが……。
「口移しでお願いね!」
「お、おい! ゴブッ!」
「フフフッ」
アイシアに回復ポーションを無理やり口に入られた後。
そのまま彼女に唇を奪われて回復ポーションごと俺の口内を蹂躙していく。
「むぐうっ!?」
「フフッ! ご馳走様ー」
「あ、は、はい」
この状況は何回かあるので若干慣れてきた自分が怖い。
そう思っていると、空中に浮かんでいる救難者を拘束していた黒い鎖がいきなりパリンと割れた。
そのおかげで次々と地面に落ちてくるので、俺達は互いに顔を見合わせふ。
「な、なあダンナ」
「言わなくてもわかる」
「う、うん」
とりあえず遭難者が生きているかを確認しないとな。
俺とアイシアは互いに固まった後、なんとか復活して彼らに息があるのか確認していく。
すると運良く全員の息があり、俺達はホッとするが違う問題が浮かんだ。
「どうやって彼らを運べばいいんだ?」
「ダンナの氷魔法で荷台を作れば?」
「うーん、出来ない事はないな」
確かにその手があるか。
アイシアの提案で全員が乗れる分の荷台を氷魔法で生成。
ただ流石に魔力消耗が少し大きく、息が荒くなってしまう。
「コイツらはアタシが結界の外に運ぶからダンナはドロップアイテムの回収をお願い!」
「ん? ああ、頼んだぞ」
「任せて!」
本来はゴーレムでも作るか悩んだが、ニッコリと笑ったアイシアが自慢の怪力で遭難者が乗った荷台を引っ張っていく。
その間に俺はボスエリアに落ちたドロップアイテムを拾う……ん?
「スキルオーブがまた出たのか?」
どんだけ運がいいんだ?
ボロローブが落としたドロップアイテムの中に見覚えのあるオレンジのビー玉が。
俺は苦笑いを浮かべつつ、スキルオーブを手に取る。
「今度はなんのスキルが入っているんだ?」
楽しみが増えてよかった感じはするが。
数日前に行った
その時の鑑定結果はまだ聞きに行ってないので、それを含めてギルド支部に行くか。
「ダンナー! 結界の外に運び終わったからドロップアイテム拾いを手伝うわね」
「アイシアはそいつらの護衛してくれ!」
「あ、わかったわ!」
結界の外で雑魚モンスターに襲われるかもしれない。
そうなると意識がない遭難者はなすすべもなくやられるので、ここはアイシアに護衛を任せた方がいいはず。
自分の中で色々考えながら、ブンブンと嬉しそうに手を振るアイシアに反応していく。
「さてと、もう一仕事だな」
救助した報告だけ上に入れておくか。
ドロップアイテムを拾っている合間にDフォンを取り出して、緊急避難連絡を入れておく。
するとすぐに反応があったので、俺は驚きながらも自分のやれる事を進めていくのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます