第22話・普通ではいない種類のモンスターだな?
ダンジョン・
いつもなら動物系のモンスターが出現しているのに場所なのに、何故か今はガイコツ系などのアンデット系が多く現れている。
「明らかおかしくないか!?」
「確かにこの数は以上ね!」
「それもそうだが今の状況で笑いながら無双しているお前も怖いわ!」
「アタシが
「ついに開き直りやがったな!?」
アイシアへの突っ込みが追いつかないんだけど!?
俺はアイスビットを放ちながら前衛で嬉しそうに片手剣を振るうアイシアに突っ込むが。
今の状況的にアイシア本人への突っ込みはあまり効果がないみたいだな。
「開き直って何が悪いの?」
「うん、俺が悪かった」
「わかればよし! あ、この辺のガイコツ兵は大体倒し終わったわね」
「ハハッ、そりゃよかった」
つ、疲れた……。
周りにはガイコツ兵のドロップアイテムが落ちており、拾うだけでも一苦労な量がある。
まあでも今回に関してはドロップアイテムにはそこまで興味がないのでスルーしていく。
「ねえダンナ。前に入ったダンジョンよりもモンスターの出現頻度が多くない?」
「それは俺も思ったが理由がわからないんだよな」
「あー、まあ、理由は先に進めばありそうよ」
いきなり寒くなったような?
この先で何かを感じるのか冷たい笑みを浮かべるアイシア。
その姿は凛とした女騎士なのだが、前に感じていた残念さがほとんどない。
「……それもそうだな」
「ええ! あ、少し失礼するわね」
「ちょっ!? なんでおんぶ!?」
「少しマズイ雰囲気がしたからよ!」
理由になってないぞ!?
いきなりアイシアにおんぶされたので戸惑っていると、彼女は真顔のまま勢いよく駆け出す。
その時に少し酔いそうになったが、舌を噛まないように口を閉じていたので吐くのはなかった。
ーー
第三層のボスエリア付近。
いつもなら狼系のエリアボスであるファング・ウルフがいるのだが……。
ボスエリアの結界内には三メートルくらいのボロローブを被ったモンスターが空中に浮かんでいた。
「な、なんだあのモンスターは」
「アタシも見た事がないモンスターね」
「……マジで?」
雰囲気的にファンタジー系の漫画とか出て来る死神っぽい見た目の相手。
とりあえずヤバそうな雰囲気がプンプンするので帰りたいが、ボスエリアの奥を見ると何か。
って、警備隊の方々と学園の生徒達では?
「ダンナ! あの吊るされているは遭難者じゃないの?」
「確かに……。ならなんでボロローブはアイツらにトドメを刺さないんだ?」
「おそらく彼女達は魔法陣に拘束されていて魔力を吸い取っているみたいね」
「おいおい!? このダンジョンで戦ったガイコツ兵はアイツらの魔力を使って召喚した事にならないか?」
「まあ、そうなるわね」
やっとこさガイコツ兵が現れる理由がわかった。
俺はボス部屋の奥にいる生徒っぽい奴らと警備隊の隊員達を見ながら一息吐く。
「アイシア、悪いが付き合ってもらうぞ」
「もちろんよ!」
ここまできたらやるしかない。
俺は覚悟を決めた後、やる気満々なアイシア共にボスエリアの中に入っていく。
するとボロローブを被ったガイコツみたいな相手が、カタカタと骨格を鳴らし始めた。
「ケケケケッ」
「うおっ、気持ち悪いな!」
「本当ね! あ、ホーリー・ランス!」
「ケケ!?」
地面に倒れている奴らは結界の奥にいる。
なので、アイシアはホーリー・ランスを放つとボロローブは光の槍をなんとか回避しながら近づいてくる。
……拘束されている奴らに光の槍が当たらなくてよかった。
「コイツはアタシが相手するからダンナは救助に行って!」
「死ぬなよ!」
「後でイチャイチャしたいから意地でも生き残るわ!」
「お手柔らかに……」
思わずコケそうになったが、緊急事態なので一旦スルー。
勢いよく走ってボロローブを通り過ぎようとしたが、相手はコチラにに大鎌を向けてきた。
「カラカラッ!」
「お前の相手はアタシよ!」
「カタカタッ!?」
ボロローブの大鎌は俺に届く事はなかった。
てかアイシアが片手剣を上手く使い、ボロローブの大鎌を勢いよく弾いた。
そのおかげで相手は体勢を崩したので、アイシアが追撃のホーリー・ランスを放つ。
「はあぁ!」
「ガタガタッッ!?」
光の槍がボロローブの左腕に直撃。
そのまま左腕の骨が砕けたが、向こうは驚きながらもバックステップを踏んだ。
「まさかこの程度なの?」
「ガタガタ!!」
「この程度の煽りで怒るなんて器がちっちゃいわね」
「よ、容赦がないな」
チラッとアイシアの方を見るとボロローブがキレたのか、左腕を再生させた後に大鎌を振り回す。
ただ空振りがする音だけが周りに響くので、アイシアは上手く避けているみたいだ。
「生き残っててくれよ……」
アイシアがボロローブを引き付けている間。
黒い魔法陣の上に鎖で拘束されている救難者の前まで移動。
したのはいいが遭難者は空中で拘束されており、物理的に届かない。
「これどうすればいいんだ?」
氷魔法を放って黒い鎖を破壊する方法もあるにはあるが……。
破壊する前に救難者達の体に当たる可能性もあるので、マジでどうすればいいんだ?
「カタカタ!」
「ッ! ダンナ!」
「こんな時に!」
コチラの動きに気づいたのか、ボロローブは大鎌で地面を叩く。
その瞬間、地面に多くの黒い魔法陣が現れて中からさっきも見たガイコツ兵が現れた。
「「「ガタガタ!」」」
「ああもう! アイスビット!」
ドンドン増えるガイコツ兵に対して範囲魔法を放っていく。
だが向こうの方が魔力が多いのか、倒すスピードよりも召喚されるスピードの方が速い。
「アンタの相手はアタシよ!」
「ッ!? ガタガタッ!」
「コッチはアタシがなんとかするからダンナはそいつらを護衛して!」
「ただ、長くは持たないぞ!」
「了解! ならギアを上げていくわ!」
ボロローブと互角以上に戦っているアイシアだったが、先程までの余裕そうな戦いから被弾覚悟のゴリ押しに変わった。
そのせいでアイシアの体は傷が増えていくが、その代わり相手へも大きなダメージを与えていく。
「「「カタカタ!」」」
「あんな戦い方もするのかよ……」
獰猛的なアイシアの戦い方を見てドン引く。
ただ彼女はそれだけ本気っぽいので、俺は任された仕事をこなしながら心の中で応援するのだった。
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