第5話 スキルの検証

僕は地上に降り立った。


「下界と言われているけど、いわば”人間界”だよね」


降り立った場所は森の中の少し開けた場所で、そこでスキルの検証を始めた。


まずはステータスを再確認する。


===


名 称:カナタ

種 族:天使族     |残り進化回数:2

年 齢:0

性 別:無

レベル:0       |次レベルに必要経験値(0/10)

生命力:100/100 |評価ランク:D

魔 力:300/300 |評価ランク:D

状 態:正常

スキル:武術系スキル  【剣術Lv1(0/100)】

    魔法系スキル  【光魔法Lv1(0/100)】【回復魔法Lv1(0/100)】

    耐性系スキル  【物理攻撃耐性Lv1(0/100)】

    特殊系スキル  【アイテムボックスLv1(30/100)】

    称号系スキル  【女神カリルの寵愛】【異世界からの転生者】

    ユニークスキル 【エネルギー変換Lv1(0/1000)】


===


まずは【剣術】の補正具合を見てみる。

天界で借りた剣で少し素振りをしてみる。


しかし、何が補正されているのか分からなかった。

恐らく常時発動型パッシブのスキルなのだろう。


ステータスを確認すると【剣術】の欄の熟練度が増えていた。


===


【剣術Lv1(3/100)】


===


100回ほど素振りをして、熟練度が3増えた。

このままいけば約3333回素振りをするだけでスキルレベルが上がるが、そんな虫のいい話などあるはずがない。


そう考えていると、森の奥から大きな人型の豚が姿を表す。

俗に言う”オーク”という豚の魔物なのだろう。


魔物とは動物とは違い、基本的に理性のない獣で他者に襲いかかるという習性がある。

なので、魔物に与える慈悲はない。


とっとと豚骨ラーメンに変えてしまおう。


作り方知らないけど。


僕はオークに剣を使って斬りつける。

それをオークは持っていた棍棒で受け止める。

棍棒の半分ぐらいまで切れた。


そのまま剣が途中まで切れたまま、オークは棍棒を振り始めた。

すぐに剣を引き、すぐさま斬りつける。

すると、オークの腕を少し切った。


このまま少しずつダメージを与えていこうと思った矢先―――。


「ブヒィィィ!」


突如、オークが雄叫びを上げる。

すると、周りから別のオーク達が2体ほど現れた。


オーク達はゲスな笑みを浮かべる。


3対1はきついな。


さて、どうするか。


考えられるこの状況を切り抜ける方法は逃げるか戦うの2パターンだ。

正直、天使の羽を使って飛べば空に逃げられるので、個人的には戦いたい。


取り敢えず、光魔法で目眩ましをしてみる。

今は昼なので効果は薄いかもしれないが、無いよりはマシだと思って使う。


「【光魔法】ライトッ!」


掌から光の玉が浮かび上がる。

ちょっと光るぐらい。

懐中電灯ぐらいの明るさだろうか。


って分析している場合じゃない。


この魔法は使えないな。

やはり剣か。

と思いながらオークに斬りつけ、オークの胴を切り裂く。

切り裂いたは良いものの、他のオークから殴られる。


1体は躱す事ができたが、もう1体のオークの攻撃が当たる。


痛っ!

やっぱり数的不利は辛いな。


ステータスをちらっと見ると、生命力と魔力が少し減っていた。


===


生命力:82/100

魔 力:298/300


===


まだ一撃しか食らっていないのに、18ダメージを食らっている。

【物理攻撃耐性Lv1】がなければ、20ダメージを食らっていたのか。


もう2回攻撃を受けたら回復魔法を使って回復するのが効率的かな。


===


【回復魔法Lv1】

魔力を使って生命力を回復させる魔法。

レベル上昇に連れて使える魔法が増え、効果が高くなる。


【効果】

Lv1:ヒール

消費魔力10

生命力を回復させる。

回復量は50

ただし、生命力が減っていない人には使えない。


===


数を減らせば楽になるから、まずは怪我をしたオークから狙う。

しかし、他のオークに邪魔をされ、うまく攻撃を当てることが出来ない。


そうやって無性に剣を振っているうちに何かが変わったような気がした。

剣を振る速度がのだ。


オーク達から少し距離をとって【剣術】の欄を見てみると、思った通りだった。


===


【剣術Lv2(2/1000)】


===


F=maだから速くなれば、その分強い攻撃を与えることが出来る。

この世界に物理法則など無いかもしれないが。


距離を詰め、オークの頭を目掛けて剣を振る。

先ほどと同様、棍棒で受け止めようとするが、棍棒ごとオークの頭を切る。


すると、気分が高揚し、自分自身の強さが強くなった気がした。


「ハハッ!今なら何でも出来る気がするよっ!」


その勢いで、すぐさま残っているオークのうち、片方のオークに剣を振る。

首を狙い切り裂くが、少し浅い。

そのまま踏み込み、身体を捻りながらもう一度切り裂く。

今度こそオークの首が切れた。


更に気分が高揚しハイになり全能感を感じながらそのまま、最後のオークに向かう。


オークは本能的に恐怖を感じ逃げようと背中を見せるが、それがもうおしまい。

距離を詰め、脳天から背中まで真っ二つにする。



戦いが終わり、少し冷静になったので生き物を殺したことに罪悪感が湧いてくると思ったが、対して罪悪感がわかない。

自分の感性がこの世界の感性に馴染んでいることに少しばかり怖くなったが、その点は女神様が調整してくれたのだと思う。


ステータスに変化があると思ったからステータスを見ると、驚くべき変化があった。


―――その時僕は気づかなかった。

僕の羽に異常が起きていたことに。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

後書き

どうも、のこじです。

戦闘描写を書くのは慣れていませんがこんな感じで良いんですかね。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る