第1章 天使は堕ち、■は去る
第1節 堕ちる天使
第1話 転生(前編)
「これじゃない…。やっぱり元の体をベースに肉体を再構築するべきね。」
とある女神が1つの魂を前にしながら用意する肉体を考える。
「種族を天使して…フフ。完成です。」
◇◆◇
「ん…。」
僕の目が覚めた。
あれ、目が覚める?
おかしい。
僕は確かあいつに殺されたはず…。
まあこういう時の定番ワードとしてアレだよね。
さっきも言ったけど。
「知らないてんじょ…うがないね」
天井がなかった。
と言うよりも星空が広がっていた。
おかしいと思って下を見ると、真っ白なよくわからない物質で構成されていた。
触ってみると柔らかい。
だが、歩こうと思うと固くなる。
なぁにこれぇ。
「病院だとしてもこんなよくわからない場所に僕を放置したりしないと思うし…。ここどこだろう。」
「ようやく起きましたか。」
「っ!誰?」
後ろから急に声をかけられた。
―――振り向くと20代ぐらいのお姉さんが微笑んでいた。
「私は女神”カリル”です。ごきげんよう、白天彼方さん。」
なぜ僕の名前をっ…?
「名前を知っている理由ですか?―――私がこの世界に貴方の魂を連れてきたからです。」
当然のように心を読まれる…。
これが、神っ!
この世界に連れてきたということは異世界?
つまり異世界転生ということか?
「その解釈で正しいです。」
異世界転生かぁ。
誰もが憧れたことはあると思うけど、実際には異世界に行かなくても良かったかな。
「あの、今から元の世界に戻ることって出来ます?」
「戻れません♡フ腐腐腐。」
ん?なんだ?
今、微笑みの裏に一瞬腐の気配がしたけど!?
「ところで、転生するに当たってチートスキルとかもらえるんですかね?」
「用意したいところですが…既にユニークスキルをお持ちのようですので私が与えることは出来ません。」
「え?もう持ってるんですか?」
「この世界に連れてくる時に第三者が介入したのでその時に得たのでしょう。『ステータス開示』と念じると、スキルなどを確認することが出来ます。」
試してみるか。
『ステータス開示』
===
名 称:未設定 |設定を推奨
種 族:天使族 |残り進化回数:2
年 齢:0
性 別:無
レベル:0 |次レベルに必要経験値(0/10)
生命力:100/100 |評価ランク:D
魔 力:300/300 |評価ランク:D
状 態:正常
スキル:武術系スキル 【剣術Lv1】
魔法系スキル 【光魔法Lv1】【回復魔法Lv1】
耐性系スキル 【物理攻撃耐性Lv1】
特殊系スキル 【アイテムボックスLv1】
称号系スキル 【女神カリルの寵愛】【異世界からの転生者】
ユニークスキル 【エネルギー変換Lv1】
===
「これは…?」
「今ご覧になっている物が”ステータス”です。混乱されているようですので説明しますね。」
ちょうど聞こうと思っていたから助かる。
「まず名称からです。名前のことです。現在、未設定となっているのは転生後に名前がついていないからですね。新しい名前をつけることも可能ですし、元の名前でも構いませんが、名前はつけるべきなので、名前を付けましょう。」
「うーん…。じゃあ、『カナタ』でお願いします。」
「なるほど。【命名】”カナタ”…これで名付け出来たはずです。確認してみてください。」
じゃあ。
『ステータス開示』
===
名 称:カナタ
種 族:天使族 |残り進化回数:2
年 齢:0
性 別:無
レベル:0 |次レベルに必要経験値(0/10)
生命力:100/100 |評価ランク:D
魔 力:300/300 |評価ランク:D
状 態:正常
スキル:武術系スキル 【剣術Lv1】
魔法系スキル 【光魔法Lv1】【回復魔法Lv1】
耐性系スキル 【物理攻撃耐性Lv1】
特殊系スキル 【アイテムボックスLv1】
称号系スキル 【女神カリルの寵愛】【異世界からの転生者】
ユニークスキル 【エネルギー変換Lv1】
===
「しっかり名前がついてる…。」
「なら、良かったです。次の説明をしますね。」
「はい。」
「次は種族です。天使となっていると思いますが、私が肉体を作る作る時に
今、うっかりの裏に別の意味があったような…。
「こほん、残り2回進化ができるようですね。進化は、地球で言うところのポ●モンの進化みたいな解釈で良いです。」
残り2回?
これはっ…!
「このカナタは進化する度にパワーが遥かに増す…その進化を僕は後2回も残している…その意味がわかるな?」
逆ピースしながら言う。
「はい、わかります。」
うっ。真面目に返されると何も言えなくなる…。
鳥山先生、ご冥福をお祈りします。
「…次行きますね。年齢と性別はそのままです。」
「ちょっと待って下さい!」
「何でしょう?」
「性別:無って何ですか?」
僕が一番疑問に思っていることを聞く。
「その通りで性別が無いという事です。自分で調べてみたらどうでしょう?」
僕はムスコの位置に手で触れてみるが…。
―――何もなかった。
そう。文字通りすべすべの肌があっただけだった。
「天使という種族の特性上、排泄をする必要が無いんです。おまけに、天使族は私が作り出した種族故、男女で交わって子をなす必要が無いのです。」
確かに何もない今、性欲というものも無くなった気がする。
「天使族の説明をする時に言い忘れていましたが、天使の輪と羽というものは任意で出したり消したりすることが出来ます。現在は消している状態なので、1度出して見てはどうでしょうか?」
「どうやって出せば…?」
「私自信は輪や羽を持ってないので解りませんが、輪や羽も貴方の身体の一部なので意識すれば出せるのでは?」
意識…ね。
身体の何処かに隠れているであろう輪や羽を探す―――。
―――これかな?
広げるように意識してみる。
…?背中に違和感を感じる。
手で背中の辺りを触ろうとすると、もふもふしたものが背中に辿り着く前に当たった。
なにこれ?
「姿見を持ってきました。」
「あ、ありがとうございます」
タイミング良いな、あの女神さん。
鏡を見てみると…。
転生前の姿の僕の頭上に輪が、背中に羽を生やしていた。
「容姿…変わってないんですね。」
「(ボソッ)この容姿だからこそ良いんです。嗚呼、早く”めちゃくちゃ”に…。腐腐腐ッ」
な、なんだ?
微笑む女神さんからまた、急に腐のオーラが!?
「こほん、さて、次の説明に参りましょうか」
この女神さん話題を急に変えたなっ!?
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
後書き
どうも、花粉症が酷いのこじです。
きりが悪いところですが、文字数の都合上分ける事になったのはすみません。
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