堕ちし天使は禁忌の箱を解く

のこじ

プロローグ

プロローグ

とある虚無の空間で少女が目を覚ました。


「ここ…は?」


消えそうなほど小さな声で呟くが、漆黒の虚無に虚しく消える。


「そっか…私…。」


何かを喋ろうにも記憶が綿飴の溶けるように消え行く。


「これで…確か…8106回目かな…。」


かカウントしている何かの回数以外は。


「誰か…。たすけて…。」


―――私をここから…。


◇◆◇


”男の娘”

それは一部の紳士の方々と一部の腐ったお姉様方の性癖クラッシャーである。

少女のような外見をした少年のことである。

出典:ノッコージペディア


「僕は一体何を調べてるんだろう。」


僕こと白天しらあま彼方《かなた》は誤情報が多いことで有名なノッコージペディアを見ながら考える。



―――事の発端は数日前。

陰キャな僕は学校で今日も陰キャ友達とご飯を食べていた。


「なあ、彼方。」


「ん?」


「ずん●もんの性別って男?女?」


友人の1人が僕に話しかける。


「え?ず●だもん?性別はどっちでも良くない?」


「俺は男の娘だと思うんだが・・・お前、身体は小柄で中性的な顔をしてるよな。」


「何?急に?」


僕が困惑していると、友人が続ける。


「いや、今度我らオタクのオフ会があるだろ?」


「うん。」


「女装して行ってみないか?」


「は?」


ドユコト?

僕は男なのになんで女装を?


「女装は嫌だよ。」


「そこをなんとか!もう女装させるって連絡しちゃったから!」


「それでも女装はしないよ。」


「何でもするから!」


お?


「今…何でもするって言った?」


「い、いや。何でもはしないぞ。」


「じゃあ女装しない。」


「何でもします!この通りです!」


友人が僕に土下座をした。


「えぇ…まあ何でもするんだったらいいよ。」


―――この時僕は気づくべきだった。

オタク共の中に男の娘が1人投入されたらどうなるかを。



―――そして今に至る。

僕は一度決めたことは本気でやらないと気が済まないタイプの人間だ。

なので、まずは男の娘について調べている。

そこで出てきたのが先程の検索結果だ。


「いい感じの服が家には無いなぁ…。」


家のクローゼットを見ながら呟く。

仕方無しにオンラインショップを開き、サイズに合っている服を買う。


その後も準備を進めて行った。



―――オフ会当日

僕は購入した服を着て、オフ会会場に到着する。

会場の中に入ると、オタク達が一斉にこちらを見る。


「あ、こんにちは。僕は白天彼方です。」


「彼方!お前本当に女装してきたんだな!似合ってるぞ!」


女装を似合っていると言われるとなんとも言い難い微妙な気分になる。


「うおぉぉぉぉぉぉぉ!男の娘だっ!」


「男の娘男の娘男の娘男の娘男の娘男の娘男の娘男の娘男の娘男の娘男の娘男の娘男の娘男の娘男の娘男の娘男の娘男の娘男の娘男の娘男の娘男の娘男の娘男の娘男の娘男の娘男の娘男の娘男の娘男の娘男の娘男の娘男の娘男の娘男の娘男の娘男の娘男の娘男の娘男の娘男の娘男の娘男の娘男の娘男の娘男の娘男の娘男の娘男の娘男の娘男の娘男の娘男の娘男の娘男の娘男の娘男の娘男の娘男の娘男の娘男の娘男の娘。」


「現実で男の娘属性を見られるとか最高か?」


オタク共が何やら吠え始め、僕の元へやってきて僕を揉みくちゃにし始めた。

そして、圧迫されながら揉みくちゃにされ過ぎた僕は失神して意識を手放してしまった。



―――しばらくすると僕は目を覚ました。


「知らない天井だ。」


ノルマ達成。

で、ここはどこなんだろう。

辺りを見渡そうとするが、見渡すことが出来ない。

疑問に思って見ると、手足が拘束されていた。


「なんで拘束されているの…?」


「それはお前をいま監禁しているからだな。」


「誰…?」


そこには会場にいたオタクの一人がいた。


「お前を監禁して身代金を取ろうかと考えたが、無駄だったようだな。」


「な…!?」


そんな…やっぱりあの人達は…。


「ククク、絶望してるな。いい顔だ。これだから男の娘虐はいい。」


逃げなきゃ。

でも手足が縛られているから、逃げることは出来ない。


「逃げれないぞ。逃げようとした奴には罰を与えなければな。」


僕は口に猿轡を噛まされ、椅子に座らされた。


「まずは●●●●●●●からだな。」



―――僕は酷いコトをたくさんされた。

そして、最終的には…。


「そろそろお楽しみに時間は終わりのようだな。じゃあ、死ね。」


そいつは僕の心臓の部分を刃物で突き刺した。


刺された痛みが苦しい。


苦しい。


なんで?


この見た目が駄目なの?


僕の脳中で走馬灯が駆け巡る。


しかし段々と意識が薄れていき…。


ごめんなさい。お母さん、お父さん。

約束を守ることが出来なくて。


ごめんなさ…。


◇◆◇


「いくら何でもあれは可哀想過ぎるでしょ。私が助けてあげよう」


とある人物が地球へと操作を行って白天彼方の魂だけを呼び寄せた。

『異世界』へと。


そのことが吉と出るか凶と出るか、まだ誰も知らない。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

後書き


どうも、のこじです。

カクヨムでは初めての作品です。

素人故、誤字脱字が多いかもしれませんが、よろしくお願いします。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る