TS幼女化父親
朝起きてリビングの方にやってきた僕。
「んっ?おはよう」
それを出迎えたのは朝食をとっている最中であった幼女であった。
見た目としてはかなり若く、しっかりとした幼女。
だが、この幼女は紛れようもない僕の父である。
「朝食は昨日の残りをもらっているぞ?」
「えっ?大丈夫?それ、ちゃんと温めた?」
「問題ない。しっかりとチンした」
「さよか」
まぁ、レンジくらい使えるか。
ずいぶんと肉は固くなってそうだけど。
「食べられるの?全部」
昨日、僕が夕食として作ったのは脂身の多いがっつりとしたステーキである。
若い体なら脂っこいものでも受け入れる!
だから、ガツンとした肉を頼むといわれたのでご要望通りにガツンとしたものを作った結果、父は食べきれなかったのだ。
「さすがに二日かければいける」
「……結構量も残っていそうだけど。余ったら適当にラップをかけておいて。夜に何か使う」
「……正直助かる」
「さよか」
僕が幼女になった父親と会話しながら朝飲むコーヒーを淹れていた時。
「チっ、朝からそんな脂っぽいものを食べて……私への嫌味か」
すでに仕事へと行く準備を整えているお母さんが姿を現す。
「うごっ!?」
「おいしいダイエット料理作っておいてあげるから早く仕事に行ってきて」
「……わかっているわ。それではいってきます」
僕の言葉に頷いたお母さんは一目散に玄関の方に向かっていく。
「……あいつにも悪いよなぁ。俺が女になってしまって」
「そう?悪いのはお母さんだと思うよ。一番つらいのはTS化した本人だろうに。どんな変化も受け入れてあげられない器量がないと」
「……こう言っては何だが、お前が少しおかしいだけだぞ?ふつうはそんな器量など持ち合わせていない。なんで学校の全員がTSした中でも平然としているのだ。普通は親しい人に大きな変化があれば大なり小なり動揺するものだ」
「大事なのは見た目じゃなくて中身だよ。何があろうとも友達は友達だ」
「……本当に俺の子かと思うほどに豪快で強いな、お前は、本当にすごい。その人間離れした意思はどこかですさまじい勘違いを産んでいそうだが」
「勘違いって何さ」
僕はお父さんの言葉を軽く受け流し、朝食として立ったまま食べていた一つのサンドイッチをコーヒーで流し込み、机にコップを置く。
「それじゃあ、僕も学校に行ってくるよ。お父さんも遅刻しないでね」
「あぁ、わかっている。この体での通勤にも慣れた。心配することではない、いってらっしゃい」
僕はTS化したお父さんに見送られる形で家を出るのだった。
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