第19話 物語を書くこと

 身体が食べるもので作られているとすれば、心は体験したことからできているのではないでしょうか。

 これまでに観たもの、聴いたもの、読んだ本、誰かの言葉……そのときの気持ち。


 中学生の時、仲良しグループの友人達の間で、イラストや物語など各々それぞれが書いたノートをまわし読みしていました。


 私の物語「これからは僕達は」は、その頃に書いた話が原案となっています。宇宙への憧れと勢いだけで書いた短い物語でした。

 書き終えたとき、とても嬉しかったのを覚えています。


 設定は「戦争があった。その3年後の話」というだけで、エピソードはもっと少なく、結末も全く異なっていました。

 カクヨムで公開している物語は、「外伝」も含め、そこから大幅に加筆修正して、かなり膨らませたものです。これらの作品を、更に推敲を重ねながら連載しています。


 私の中の「宇宙への憧れ」は何処から生まれたのでしょうか。


 SF本に傾倒していたことは、前に書いた通りです。


「宇宙戦艦ヤマト」や「機動戦士ガンダム(1stシーズン)」は、リアルタイムで視聴していたわけではありませんが、大きな影響を受けています。

 スターウォーズに代表されるようなSF映画も好きです。


 銀河鉄道999にも、アルカディア号にも乗りたくて、

「宇宙海賊キャプテン・ハーロック」のエンディング曲の歌詞が、「君がこの船に乗れ〜♬」だったこと、とても悔しかったです。(女の子は乗れないってこと?ミーメも蛍も乗組員なのに?)そう思いました。


「魂が宿る船」というのは、このアルカディア号へのオマージュとして、物語に入れた設定です。


 私には、全く何もない「ゼロ」の状態から、何かを創り出すことはできません。今まで取り込んで積み上げて来た、私の内側にあるものから、芽を出して育ち、物語が生まれるのだと思います。


 インプットからアウトプットへ。

 ——物語の生まれる瞬間。


 意図したものでなくても、物語の中には、あちこちに散りばめられた様々なオマージュがあって、自分でも後になって気づくことがあります。


 頭の中に浮かんでいる映像を文字に書き起こす。

 シーンをつなぐ。エピソードを拡げていく。

 人物が勝手に動き始めて、物語が立ち上がる。

 広がったストーリーがゆるやかに収束に向かい、やがて迎える終幕。

 ——物語を形にするということ。


 私には書きたいものしか書けません。

 想像力と文章力、物語を書くために必要なこのふたつの力が、もっと自分にあればいいのになぁと、いつも思っています。

 明るいハッピーエンドのお話、爽やかな読後感、そういう物語に憧れています。





 


 

 

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