本領発揮
自分の前にどんどんと現れてくる大量の魔物たち。
それを相手にモグラたたきの要領でひたすらボコし続けていく僕。
そんな争いを永遠と続けていた中。
「……ァア゛?」
僕は急に謎の衝撃を背後から感じて自分の態勢を崩す。
「……これはカメレオンだね?」
謎の衝撃。
それの正体を絶対不認識というとんでもない能力を持つ魔物であると判断した僕は素早く自分の周り全体に雷を落としていく。
「よし」
その魔物を確実に雷で打ち抜いた手ごたえを感じて僕が頷いた瞬間。
「……っ!?」
ダンジョンの方から爆速で自分の元へと突っ込んできた魔物を前に度肝を抜く。
「そんな深くからも来るの……っ!?」
自分へと突っ込んできた巨大なカブトの魔物。
その角を掴んで受け止めた僕は頬を引きつらせる。
こいつは冥層の中でもさらに低いところに生息する魔物である。
あの層までの魔物が出てくるとなれば本格的に周りを守るのが───っ!?
「……ぁ」
僕が強大なカブトの魔物を抑えていた中、自分の横を魔物が通りすぎて後ろでぼーっと立っていた冒険者の方に向かっていく。
「黒天っ!」
迷うことはない。
僕は人命を最優先とし、自分の手札の一つ。
光武によって黒い一筋の光が魔物を貫いて殺してみせる。
「もう……いいや」
一度見せたのならば二度も、三度も変わらないだろう。
「後光よ」
僕は観音菩薩の能力も開示することを決断する。
「千式観音」
僕は後方に出現させた観音菩薩のお力を借り、殴殺を開始。
自分の前にいたカブトの魔物も、その他の魔物も全員等しく観音菩薩の手で叩き潰していく。
「んーっ!このまま叩き続けるのは面倒……っ!僕の持つすべての力をもってして……ダンジョン内にいる魔物を全員倒してしまおうっ!受け身でいるのちょっと面倒」
ここまで来たらもう出し惜しみはなしだ。
自身の持つすべての力を使うことを決心した僕は魔物のいなくなった地上からダンジョンの方に向かっていくのだった……今もなお、地上へと出ていこうとする魔物を叩き潰しながら。
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