圧倒
ダンジョンスタンピード。
それはまさしく悪夢であった。
「……嘘だろ?」
攻略組のトップにして、勇者の異名をもつ河野粟生はダンジョンから現れた魔物を前に呆然と声を漏らす。
『おぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!』
「い、いきなり冥層の魔物から、だと?」
ダンジョンスタンピードが起きると共に始まるダンジョンから地上への魔物による侵攻。
その先陣を切ったのはまさしく冥層の魔物であった。
圧倒的なの巨躯と力を持つ化け物が地上へと咆哮を轟かすのである。
『ぎゃぎゃっ!』
『うーっ!うぅー!』
『;hgtbん:ldbんたplh』
あまりにも巨大な冥層の魔物の周りには下層、中層、上層問わず多くの魔物も一緒に地上へと出てきていた。
「こ、こんなのに勝てるの、か?」
攻略組のほとんどは今、地方に出払っており首都にいる攻略組の数は少ない。
この数で倒せるのか。
河野粟生は、日本最強と長年呼ばれ続けている彼は勝利への自信が萎み、そして、恐怖に体を震わせていた。
「ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああああああっ!」
「もうだめだぁ、おしまいだぁ」
「みんな殺されるぅ」
日本最強と評される河野粟生でさえも、この調子なのである。
ダンジョンスタンピードに対抗するため集まっていた冒険者たちなどもはもうその心が折れてしまっていた。
『おぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!』
この状態で、戦いが起きるだろうか?
冥層の魔物が一歩。
その大きな足を進め、大きく距離を全身させる。
その間、冒険者たちは一切動くことができずにただ立っているだけであった。
逃げる、ことさえできなかった。
「ドーンっ!」
そんなとき、空より一筋の光が舞い降りて冥層の魔物へと激突する。
『おぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!』
それを受け、冥層の魔物は光へと屈するかのようにその体を地面へと倒すのであった。
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