出陣
日本中に鳴り響く警報音。
『コメント』
・やばい……いや、ヤバくないっ!?
・えぇぇぇぇええええええええっ!?
・ど、どうすればいい!?
・や、やべぇよ!
それを前に視聴者の方も大混乱状態である。
「あそこだね」
そんな状況において僕はダンジョンスタンピードが起きているダンジョンの中で、最も盛況な勢いを見せているダンジョンを見つける。
「おぉ?攻略組は見事に各地域に分散しているね……そうか、今はちょうど攻略組がダンジョンスタンピード対策で各地方のダンジョンを攻略しているような時期か。これなら各地方は大丈夫そう」
そして、そのまま日本全体の状況を見て、今どうなっているのかを把握していく。
「あー、でもこれだと東京は確実に陥落するな」
「えっ?」
『コメント』
・はっ?えっ……?
・東京が陥落する……?
・はぁぁぁぁぁああああああああああああ?!
・えっ?これは本気でヤバいやつ?俺東京住みなんだけど。
・逃げた方がいい?
「ちょっと待ってちょうだいっ!?東京が陥落する!?それは本当なのっ!?」
「うん。魔物側の戦力が東京の方に寄っているからね。地方の魔物はカスみたいな魔物しか湧いていないのに対して、東京の方には冥層の魔物もチラホラ。明らかに今、東京に残っている攻略組が足りない……とはいえ、攻略組が勢ぞろいしていたとしても危うい感じではあるけど」
「そ、そんな事態なの……」
僕の言葉を聞いた桃葉は自分の隣で愕然とした表情を浮かべている。
「んっ?」
そんな彼女の横で、僕は首をかしげる。
「そんな緊急事態でもないよ?」
「えっ……?でも、今さっき東京が陥落するって」
「でも、僕がいるもの」
過去のダンジョンスタンピード。
第一回の時、僕はまだ強くとも何ともなかった。
そして、自分が強くなった後に起きたダンジョンスタンピードの時にはもう僕はほぼダンジョンに住み着いているような状況で上の方について何も知らず、その事態に救援として駆け付けることは出来ていなかった。
「ふへへ……最近はマンネリ化しているからねぇ。ここでいっちょ、救国の英雄になろうか!さぁ、出陣だよ!桃葉!」
「え、えぇ……?ほ、本当に大丈夫なのよね?」
「大丈夫。僕を信じて」
ちょっとばかり弱気になっている桃葉の前で僕は力強く頷く。
戦闘面に関しては僕を頼ってほしい。
「……っ!それなら、信じるわ」
「よしっ!それじゃあ、二人で救国の英雄になろうか!」
桃葉の答えを聞いた僕は意気揚々と宣言するのであった。
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