生理

 基本的には桃葉と一緒に行動する学校生活。

 放課後は桃葉からお勉強を教えてもらう、そんな毎日。

 いくら僕が命を一回だけ救ったからと言っても明らかに頼り過ぎてしまっている毎日を僕は過ごしていた。

 ……じ、自分が頼りすぎているのはわかっているのだ。

 で、でもどうしても桃葉へと頼りきりになってしまった……もう少しだけ、もう少しだけ頼らせて欲しい。

 後ちょっと頑張る……だから。


「あわわ、も、桃葉ぁ……よ、汚しちゃったぁ」


 そんなことを考えていた僕が迎えた土曜日。

 そこで僕は桃葉の家に自分の血をぶちまけてしまっていた。

 ど、どうしよう……ここで更に桃葉に迷惑かけたら、捨てられてしまうかもしれない。

 というかなんで急に血がッ!?ヒェッ……なぁぁぁ。

 汚しちゃった。ど、ど、ど、どぉ!


「あぁぁぁぁぁああああああああああああああああああああッ!!!」


 僕が今の現状を前に動揺の声を漏らし続けていた中。


「どうしたの!?」


 その声に反応した桃葉が自分の元へとやってくる。


「うっわ、血まみれ」


 そして、色々と血をぶちまけてしまっている僕を見て桃葉が何とも言えない声をあげる。


「ど、ど、どうしよう……!血が!」


「……体調は?」


「……確かに体調も悪い。頭痛、腰痛、あと下腹部の方も痛いかな。それに吐き気、めまい、倦怠感もある……うわぁ。普通に最悪の気分かも」


 後、謎に股から出血しているためにぬるぬるして気持ち悪い。


「うん、普通に生理ね。何をそんなに慌てているの……?それにナプキンは?」


 生、理……っ!?

 そ、そっか。僕も女の子になったから普通に生理とかにもなるのか。

 これが生理かぁ……なんというか、リッチから死者の宣告を食らった時のような感覚だろうか?結構つらい。


「……つけていない」


「なんで?ナプキンの方ちゃんと使ってよ」


「……はーい」


 僕は桃葉の言葉に頷き、……どう使うのだろうか?これ。えっと……ここがこうなっているから、こうかな。うん。大丈夫そう。


「とりあえずソファで横になって布団にくるまって暖かくしな」


「いや、別にお腹へと穴が開いたときよりは平気だから」


 気分は最悪だが、死んだときよりはまだマシ。

 別に動けないわけじゃない。


「……その例えはよくわからないけど。とりあえず安静にしてなさい。必要になるものを買ってきてあげるから」


「うぅ……ありがとうございますぅ」


 結局迷惑をかけてしまった。

 それに沈む僕はそれでもしっかりと感謝の言葉を口にするのだった。

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