第2話 起動、ヴァルキリウス
「おらッ!死ね!」
帝国のヒューマン・フレームが街を破壊していた。
「隊長、このあたりですね」
「あぁ、あの噂が確かならな。」
隊長と呼ばれた機体が辺りを見渡す。そして、
「……隊長?」
「あの洞窟、やけに開けたところにあるな。」
その視線は、レットのいる洞窟で固定されていた。
「何だ、何が起きて…?」
その時、着信音が腰から鳴り響く。
腰から携帯通信機を取り出し、通信ボタンを押す。
「レイ!今どこだ!」
父からだ。だが、何やら外が騒がしい。
「どうしたの、父さん!」
「帝国の奴らだ!チッ、なんでまたこんな辺境
に!」
「帝国って……、あの?」
「どの帝国かは知らんが、取り敢えず逃げろ!
レウィントンまで皆を避難させる!方向はわかる
な!途中で避難中の奴らと合流して……」
「?父さん?父さん!」
「……そ、なん……なに……いいか、ぜ……い
に……」
通信が途切れる。
「取り敢えず、道具をまとめて……もしかしたら」
人型機械の顔を見上げる。
「もしかして、お前目当てなのか?」
ドゴォォ!
洞窟が崩れる。恐らく、帝国のヒューマン・フレームが洞窟を爆破し始めたのだろう。
「ッわぁぁ!」
レットはその衝撃で胸部のコックピットに落ちた。
そして、その衝撃でどこかのスイッチを押してしまったらしい。
「え、あちょ」
機械音とともにコックピットハッチが閉じる。
「ど、どうやって出よう……」
そのうちにジェネレーターの起動音がなり、サイドカメラとフロントカメラのディスプレイが投影される。
「い、いや僕は戦う気なんか……」
そんな願い虚しく、操作コンソール、システムディスプレイも出現する。
コンソールが起動し、画面に文字が浮かび上がる。
『Drive system, normal
Head camera, normal
Joint mechanism, damage
Sensitive control system, normal
Main booster, normal;
propellant 15%
Attitude control thruster damaged
propellant 3%
Surface armor, damage
Weapon control device, normal
Restriction device, startup completed
Firearm conversion system, activation
Start all systems
Act frame system device
Activation rate 12%
Frame name: V.a.l.k.y.r.i.u.s』
「ゔ、ヴァ……なに?」
更なる爆破音とともに洞窟が崩れる。
それと同時に、機械が起動する。
それと共に画面に更なる文字が表示される。
『Biological reaction confirmation
Confirming...
Not applicable
Biological reaction registration…
Completion of registration
Automatic translation system started
翻訳完了
自動戦闘システム起動
これより、本機は自動戦闘に入ります。』
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