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「ごめんね~、俺の彼女なんだ!

日焼け止めは俺が塗るからね~!」




学さんが明るい声で男の人達に言うと、男の人達は恐い顔をしながらもすぐに去っていった。




「もう!学さん遅いよ~!」




「ごめんごめん、思ったより道が渋滞してた。」




そんな2人のやり取りが耳に入る。

でも、わたしは目が離せなかった。

目の前にいる創さんに。




「悪い・・・学に連れてこられた・・・。

お前達がいることは知らなかった。

俺はもう帰るから、楽しんで。」




創さんはわたしから視線を反らしながら言った。




「じゃあな・・・」




冷たい低い声。



わたしは、すごく嫌われちゃったの?



そんなに・・・嫌われちゃったの?



創さん、わたしは、あなたにすごく会いたかったです。



この2ヶ月間、ずっとあなたに会いたかったです。




声にならない想いは、涙になって溢れてきた。





「わ!友里大丈夫!?

ごめんね~、学さん達来るの待ってたからここから離れられなくて!

あいつらしつこくて怖かったよね!?

本当ごめん~!!

そして、学さんと創さん来るの秘密にしててごめんー!

サプライズだったの、先に言っておけばあいつらのことも怖くなかったのにね、ごめんーーー!!」




愛実が掴まれた腕を擦りながら謝ってくれる。

「ちょっと飲み物買ってくる、学さん行こう!

創さん少しよろしく!!」

そう言って、愛実と学さんはいなくなってしまった。





「・・・俺いても大丈夫か?」



さっきの冷たい声ではなく、優しく聞いてくれる。

わたしは小さく頷く。




「座るか・・・ほら。」




少し背中を触られ、身体がピクッと跳ねた。




わたしが座ると、創さんはわたしから少し離れた所に座り、2人で無言で海を見ていた。




「痕・・・すげーついたな、痛い?」




創さんの視線の先を見ると、わたしの右腕に手の痕がクッキリとついていた。




「痛いか?」




創さんが優しく腕についた痕に触れる。




「痛くないです・・・。」




創さんに触られた所が熱をもつ。

心臓がドキドキと煩くなる。

苦しいくらい胸がキュッとする。




「学達が戻ったら俺帰るから。

もう少し我慢してな。」




そう良いながら、創さんはバスタオルを広げ、わたしの肩に掛けてくれた。




「ありがとうございます・・・。

愛実が選んでくれた水着なんですけど・・・なんか凄くて・・・。」




「似合ってるよ・・・。

でも、そういうのは彼氏と一緒に来た時にした方がいいな・・・。

彼氏・・・できた?」




わたしは首を振る。




「創さん・・・」




「ん?」




「帰るんですか?」




「帰るよ・・・。」




無言のまま、数分が経った。




「あいつら・・・おせーな!!!」




全然戻ってこない愛実と学さんに創さんが怒りだした。




創さんがスマホを取り出し、学さんに連絡をしようとする。




「あーーーー・・・ダメだ。

あいつらにハメられた。」




「え?」




「今メッセージ来て、あいつら2人でホテル戻ってる。」




「えぇ!?なんですかそれ!!」




創さんは勢いよく立ち上がり、わたしを見下ろした。




「2人で遊んでく?」




突然の提案にわたしは固まった。




「お前がよければ、せっかく来たし2人で海で遊んでく?」





嬉しすぎる提案に、わたしは思わず笑ってしまう。




「遊びたいです!」




創さんはホッとした顔をした後、わたしの肩にかかったタオルをゆっくり取った。





「行こう。」




「はい!!」




学さんが持ってきた浮き輪を借りて、2人で海に入る。




「お前、浮き輪しろよ。」




そう言ってわたしに浮き輪をさせ、創さんは浮き輪を引っ張りどんどん海に入っていく。





「あ!創さん!わたしそろそろ足つかないです!!」




「大丈夫だよ、俺ついてるから。」




「えー!でも足つかないの怖いです!

・・・あ!!もう足ついてないです!!」




慌てるわたしに創さんは意地悪な顔で笑い、もっと深い所に進む。




久しぶりに見た創さんのその表情に、涙が出そうになるくらい嬉しくなる。




もう、会えないと思っていた創さんが目の前にいる。

また喋って、遊んで、笑ってくれている。





創さん・・・





わたし、創さんのことがやっぱり好きです。






もう少しだけ・・・




もう少しだけ・・・




頑張らせてください。

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