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19時になり、愛実と学さんと3人で先にお店に入る。
今日は、学さんが創さんの大学時代の話を沢山してくれ、知らなかった創さんを少しでも知ることが出来て、楽しい話ばかりだった。
「なんだよ、3人ですげー盛り上がってるじゃん。」
20時過ぎ、創さんが到着し学さんの隣に座る。
創さんの姿を見て、わたしの身体が一気に熱くなるのが分かった。
すぐに来た生ビールでまた軽く乾杯をして、創さんは美味しそうに生ビールをグビグビ飲んだ。
「何の話してたの?」
「大学時代の創一の話!」
「こいつの話は全部盛ってるから、お前ら絶対本気にするなよ。」
「そんなことないって!!」
創さんと学さんのやり取りにみんなで笑いながら、今日もよく盛り上がる。
先週の金曜日の時は、創さんはわたしの方を全然見てくれなかったけど、今日はわたしの方を何度も見てくれる。
創さんと目が合う度、わたしの心臓はドキドキと煩くなった。
「早川、そろそろウーロン茶にしたら?」
お酒があまり飲めないわたしに、創さんが気に掛けてくれた。
明日の午前中は会社説明会もあるし、創さんの言葉に頷く。
創さんはすぐに店員さんを呼んでくれ、ウーロン茶を頼んでくれた。
創さんのビールも残り少ないことに気付き、
「創さんも頼みますか?」
と聞くと、創さんは新しいお酒を頼んだ。
店員さんがいなくなると、学さんはニヤニヤしながら創さんとわたしを交互に見てきた。
「な~んか、お前らこの前より良い雰囲気だな~。
友里ちゃんも「創さん」って呼んでるし~。」
「うるせーな。
・・・おい、お前も顔赤くなるなよ!」
創さんに笑いながら指摘され、自分の顔が赤くなっていることに気付く。
「ねぇ、創さん。
珍しく2年くらい彼女いないんですよね?
今彼女欲しいんですか?」
愛実もノリノリになってきてこんな質問をした。
愛実の質問にわたしの身体が強ばる。
緊張しながら創さんを見ると、創さんは困った顔をしながら笑う。
「今な~・・・、別にすぐに彼女欲しいってわけではないな~。」
「創一、そうなの?!
お前ウソつくなってーー!!」
「ウソついてねーよ!」
創さんは笑いながら答えると、目の前にある枝豆を見た後にまたビールを飲んだ。
わたしは、創さんの言葉に気持ちが一気に沈んでしまった。
「俺、創一と友里ちゃんはお似合いだな~って思ってたのになー。」
「わたしも!!
創さんと友里絶対合うって!!」
学さんと愛実が急にわたしの名前を出した。
創さんの反応を見るのが怖くて、わたしは慌てた。
「俺はさ・・・」
見たくないのに、聞きたくないのに、創さんは話し始める。
「俺は附属の教師だから、早川とは無理だろ。」
創さんが呟いた一言に、思考が停止した。
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