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卓球、バドミントン、テニス、バレーボール、野球、ゴルフ・・・

2人で沢山回り、「最後に・・・」とバスケットボールをすることに。




パスからのレイアップに、創さんは強めのパスを投げてきてわたしは取れず・・・。




「早川ー!ちゃんとキャッチしろー!!」



と言ってきて、そんなこと部活中も言われたことがなかったのに。

現役中でもなかったマンツーマンの指導にわたしもヘトヘト。




創さんは終始、意地悪な顔で笑っているし。




「もう・・・!!

なんで意地悪ばっかりするんですか~!!」




「いいじゃねーか!

高校の時は出来なかったんだし!」




と、意味不明な理由で更にしごかれ。




創さんにディフェンスをされ、絶対に抜けない1対1をしていたら・・・




「あっ・・・!!」




転びそうになって、すぐに創さんが支えてくれた。




「・・・っと、大丈夫か?」




「はい、ありがとうございます。」




お礼を言って創さんから離れようとしたら・・・




支えていた創さんの右腕にギュッと力が入り、離れられなくなった。




「創さん・・・??あの、もう大丈夫です。」




「うん・・・」




創さんはもう一度ギュッとわたしを抱き締め、ソッと離れた。




男の人に初めて抱き締められ、心臓がドキドキと煩くなった。

でも、嫌な感じではなかった。










「なんか飲むか?」



と、自販機でジュースを買ってくれ、2人でベンチに並んでジュースを飲む。

さっきのドキドキで、わたしは創さんの顔を全然見れなくなった。




なんで、なんで、あんなことしたんだろう??




聞けない。

創さんも何も言わない。




「今日、何時まで大丈夫?」



「明日1限からあるので・・・21時までには帰りたいなと・・・。」



「じゃあ、飯でも食って帰るか。」




と、夜ご飯も一緒に食べることになり、車でお洒落なレストランに連れてきてくれた。




「運動ガッツリしたし腹減っただろ?

いっぱい食えよ?

この前は緊張してたのか全然食ってなかったし。」




「緊張してたのバレてました?」




「バレバレだよ、俺に緊張してたんだろ?

あんなに緊張されてたら俺までもっと緊張するだろうが。

まぁ、あの後2人で飲んでからはお前らしかったけどな。」




そんな話をしながら2人で料理を注文する。

本当に、金曜日まではあんなに創さんに対して緊張していて、何を話したらいいか分からなかった。

でも、今ではすっかり創さんとの時間が楽しくなっている。

創さんがモテていたのも分かるなと尊敬の気持ちにもなる。





そう思ったら、創さんがわたしに手を繋いだり抱き締めたりしたのも、創さんにとったら何でもないことなのかも・・・と気付いた。





色んな女の人にやってるのかな?と思ったら、胸が苦しくなった。





急に苦しくなった胸に戸惑いながら、ご飯を食べていく。

美味しい料理ばかりなのに、なんだか悲しくなってきてしまった。




「なんだよ?急に元気なくなって。」




創さんに気付かれてしまい、何故か泣きそうになる。




「なに?」




「創さん・・・」




「ん?」




「今日・・・なんで誘ってくれたんですか?

わたし、よく分からなくて・・・。」





よく分からない。

全然分からない。

なんで創さんが誘ってくれたのか。

なんでこんなことするのか。





「お前と、また会いたかったから。」




「え・・・??」




「その理由じゃダメなわけ?

他にどんな理由があるんだよ?」




そう言い切られて、何も言えなくなってしまった。





わたしに・・・また会いたかったからから・・・??




なんで・・・??




胸がまたドキドキと煩くなる。

嬉しい気持ちがまた出て来て、今度は恥ずかしくなって創さんを見れなくなる。




2人とも無言でご飯を食べ、お店の外へ。




「家まで送るよ。」




「え!?そんな、大丈夫ですよ!!

ここ駅から近いですし、電車で帰りますから!!」





「お前さ、男がこう言ってるなら「ありがとう」って言って送ってもらえばいいんだよ。」




「でも、創さん明日もお仕事ですし!!」




そう言った瞬間、創さんの右手がわたしの左頬を包んだ。





「仕事だから何?

車で家まで送るくらい何でもない。

それに、お前の帰り道の心配をするくらいなら、自分で送っていくから。いい?」




創さんは右手の親指でわたしの唇をなぞった。





「創さん・・・??」





「お前・・・キスしたことあんの?」





怖いくらい真剣な顔で聞かれる。





「ないですよ・・・彼氏いたことないんですから・・・」





「じゃあ、今俺がしてもいい?」

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