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翌日は土曜日だったので愛実にも会えず、相談も出来ず。
メッセージで相談しようと思ったけど、よく考えたら秘密にした方がいいのかなと・・・。
創さんは何が理由か分からないけどわたしを誘って、わたしが愛実に相談して変な誤解があったらいけない。
まずは、日曜日に創さんに会ってからまた色々考えることにした。
土曜日の夜、創さんからメッセージが。
《明日の部活は午前だから、14時には俺も学校出られる。
○○駅まで来られるか?
車で迎えに行くから。》
く、車でどこに行くんだろう・・・??
とりあえず、《わかりました。》とだけ返信した。
よく眠れないまま日曜日になり、何処に行くのかも分からないので、綺麗目だけど動きやすくもあるようにパンツスタイルにした。
今日は一体何があるんだろう??
緊張しながらも電車に乗り、待ち合わせの駅まで急いだ。
待ち合わせの駅まで到着し、創さんにメッセージを送った。
5分も経たないうちに創さんから電話がきて、駅前にいるわたしを見付け車で迎えにきてくれた。
「悪いな、待ったか?」
「全然待ちませんでした、お仕事お疲れ様です!」
助手席に乗り込みながら答えると、創さんはゆっくり車を発進させた。
「何処に行くんですか?」
気になりすぎて聞いてみると、創さんはチラリとわたしの方を見た。
「本当は映画でも観ようかなと思ってたけど、お前動きやすい格好してるし・・・
運動しに行こう。」
「運動ですか!?」
運動って何するんだろう?と思っていたら、色々なスポーツが気軽に出来る施設に到着。
「前に別の店舗に部活のメンバーで行きましたよ!
すごい盛り上がって楽しかったです!」
「久しぶりにしごいてやるよ!」
創さんは意地悪そうな顔で笑ってから、車を降りた。
この意地悪そうな顔も、よく部活中に見たな~と懐かしくもなり、久しぶりに怖い気持ちにもなった。
「今は全然動けなくなってるので、お手柔らかにお願いします・・・!」
「たまには体動かした方がいいから、ちゃんとしごいてやるって!」
すごく楽しそうに笑いながら、創さんは受付を済ませてくれ一緒に施設の中に入った。
*
「ハァッ、ハァッ、ハァッ・・・!!」
わたしの息遣いがどんどん激しくなっていく。
「創さん、もう無理です・・・」
「まだまだ頑張れよ。」
「もう無理です・・・!!」
わたしはついに床に座り込んだ。
「なんで卓球まで上手なんですか!?
うちの高校体育で卓球やってないですよね!?」
「別に授業がなくても卓球くらい出来るだろ!」
創さんは意地悪そうに笑って、卓球の玉を投げたりキャッチしたりしている。
「わたし大学の体育で卓球選択してて、女子の中では結構出来る方だったんですよね・・・。」
結構ショックを受けながらも、よく考えたら創さんは体育の大学を出てて、今体育の先生だし、それは勝てないよねとやっと納得。
何故卓球なら勝てるかもと思って提案したの、わたし・・・。
「ほら、大丈夫か?」
そう言って創さんがわたしの腕を掴んで立たせてくれた。
「ありがとうございます・・・。」
フラフラと立ち上がると、創さんはそのままわたしの右手に指を絡ませてきた。
小さく、ドキッとする。
金曜日はお酒も入っていたし、創さんもわたしも酔っぱらっていたからあまり気にしないようにしたけど。
今は酔っぱらってもない。
なんでこんな風に手を繋ぐんだろう??
でも、聞けない雰囲気で、ふりほどけない雰囲気で。
ドキドキしながら創さんの左側にソッと近付いた。
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