第3話:あっそびっましょう〜。
「可哀想に、トマト・・・わしのところに来たばっかりに・・・・ケチャップに
なりおった」
チョコマカロンは勝ち誇ったように、ぺちゃんこにしたトマトから
腕をどけると、偉そうにガッツポーズをしてバカ笑いしながら言った。
「がはははは〜ちょこざいな・・・小娘、潰してやったわ」
「百万円、百万円・・・たとえ相手がちびっこでも勝ちが勝ちだからな」
「お茶柱・・・もっと骨のあるやつを出してこんとチョコマカロンは倒せんぞ」
「可哀想に・・・トマト」
「じいちゃん・・・トマトが・・・」
そしたら、ぺちゃんこにされたと思ったトマト・・・チョコマカロンに潰された
んじゃなくて、土に埋まっていただけだった。
なんて硬い体。
土からむくむくと這い上がって来たトマト。
「遊びましょって言ったでしょ?」
チョコマカロンは、あれ?みたいにトマトを見た。
「じいちゃん、トマト生きてるよ・・・埋もれてただけで潰されてなかったんだ」
「おう・・・よかったわい」
「それにしてもな〜・・・普通は潰されてたっておかしくはないんじゃが・・・」
「なんじゃ、この小娘は・・・潰されてないのか?」
「お茶柱・・・この子、おまえが作ったのか?」
「トマトが無事なら、そんなことはどうでもよいわ」
体の土くれを体から払ったトマト。
「遊びましょって言ったよね」
「許さないから・・・」
トマトはそう言うと、いきなりウンコ座りしたかと思うと両腕を後ろに回した。
そして両腕の肘から下がパカッと縦に割れた。
「キュイーン・・・シャコン、カシーン」
割れたところから噴射用のカタパルトが現れてそこからジェット噴射すると、
「あっそびっましょう〜」
そ言うとトマトはチョコマカロンに向かって飛んだ。
バヒューーーーーン・・・・キーーーーーーン
「うそ、トマト・・・飛べるのか?」
「じいちゃん・・・トマトがあんなことできるなんて同梱のマニュアルにも
書いてなかったよ」
「ゲゲッ・・・お茶柱・・・なんじゃあれ?」
チョコマカロンは突っ込んで来るトマトを、叩き落とそうと腕を振りかぶった
が、トマトのスピードのほうが早かった。
そのまま、チョコマカロンの胴体をぶち破って突き抜けた。
と思ったら、今度はチョコマカロンの股の下まで移動したトマトはそのまま
チョコマカロンを上空に持ち上げた。
「バヒューンンンンン・・・ンン」
「あんなのありか?お茶柱」
上空までトマトに持ち上げらてたチョコマカロン・・・空を飛べないチョコ
マカロン、落ちないようジタバタする。
「おしおきっ!!」
「シャキーン」
トマトがそう言うと右腕がピコピコハンマーに変わった。
それを見たチョコマカロン。
「わっ、わっ・・・待て待て、俺はモグラ叩きか?」
「叩かれなさいよ!!」
「ムン」
トマトはハンマーを振りかぶってチョコマカロンを思い切りドついた。
「バコーン」ってデッカい音を立ててチョコマカロンはピューッって飛んで
いって見えなくなった。
「まじでか?・・・チョコマカロ〜ンがあんなチビに負けるなんて」
「天罰・・・気の毒じゃのう、ヒッヒッヒッ」
「信じられん」
「おまえの負けじゃ・・・百万置いていけ」
「・・・・おう、そうじゃ急用を思い出したわい」
「な〜にすぐ戻って来るで・・・ほんじゃな」
「あっ、こら待て、逃げるな、百万円置いていけ!!」
「誰が待つかい」
そう言うと天罰は、ダッシュであっと言う間に走り去った。
途中で振り返るとガキみたいなセリフを口走った。
「あっかんべ〜」
「じいちゃん・・・根性が腐ってるな、あのおっさん」
「脳みそが腐っとるんじゃ、あいつは急用じゃなくて休養が必要なんじゃ」
なことをやっていたらトマトが二人のところに戻って来ていた。
「あ〜楽しかった」
「それにしてもトマトには驚かせされたわい」
「なにわともあれ、トマトが無事でよかったよな、じいちゃん」
「俺はもう生きた心地しなかったよ」
「立郎・・・私、お腹が空いた」
「分かった・・・トマトの好きなピザ焼いてやるから、中に入ろう」
「じいちゃんも・・・」
あんな光景を見てしまった立郎はトマトはまだまだ未知な部分を残してる
んじゃないか・・・やっぱり科学が発達した異星人によって作られたんだと
思うしかなかった。
それにしてもトマトはおもちゃなのにレベル高すぎ。
で、どこかへ飛ばされたチョコマカロンはJAF(一般社団法人 日本自動車連盟)
が引き取りに来たらしい。
とぅ〜び〜こんて乳。
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