第9話

過去編3


お母さんが亡くなってから1ヶ月が経つ。

妹は暗くて立ち直れていない。だが食事は食べてくれるし、時間の問題だろう


「・・・ねぇ、お兄ちゃん」


妹は久しぶりにその言葉を聞いた。


「・・・なんだ」


「前に、お兄ちゃんを夜に襲った時に止めてくれた人・・・あれお兄ちゃんの仕業なんでしょ」


まさかのバレた。


「どうして、わかった?」


「・・・お母さんが亡くなったのにおかしいと思ったから」


「・・・おかしいって何が?」


「生活が出来ること」


「・・・」


「ご飯も、お小遣いも、道具も服も、お父さんもお母さんも居ないのに、どうやって手に入れてるのかなと思ったの、街も遠いし・・・に お兄ちゃんは私と違って子供用学校行きの馬車の件もないし」


やっぱり、俺も俺だった。と言うか俺が妹のことを甘く見て居たのが間違いだった。


「・・・お母さん死ぬ前に言ってたよ。お兄ちゃんは本当は勇者パーティを操ってるすごい人だって」


全部・・・教えてたんかい!!


「・・・なんで、なんでずっと黙ってたの!!」


妹がバラすかもと思ったからとは言えない。


「・・・それはなぁ、」


「何!!教えてよ、お兄ちゃん!!」


「・・・とりあえず、ケーキ食べるか?」


「食べるぅー!!」


こうして、教えてと言われる度に美味しい物をあげて居た。


うん、だから言えなかったんだよね。


そしてもうパーティは四天王も倒せる程強くなってたし、万が一バラされても俺と妹だけは絶対に守れるくらいには強い。

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