第7話 解決

とりあえずどのような経緯で山田さんがいじめられるようになったかを調べることにした。

ここでだ、どの様に調べようか。

直接聞くのはダメだし…

かといって人脈なんて全くないし…

山田さんとあの3人の関係性だけでも分かればいいんだけど…

うん?ちょっと待ているじゃないか!俺にも友達が!!

僕は竹内に連絡を取った。

「あのさ突然だけどさ人探しを手伝ってくれない?」

「まあ、いいけど…急にどうしたんだよ」

「いや、どうしても知りたい人がいて」

「なんだ恋か!!恋なのか!!恋だな!!」

「いや、そういうわけでは無いんだけど」

「ごまかさなくても大丈夫だって!!それでどんな人なんだ?」

「えっとね~」

ここで3人の外見に特徴を言った。

「…うわ。無いわ。お前3人も気になる人がいるのかよ。ちょっと目移り激しくないか?」

「そういうわけじゃあないんだけどな」

「まあいいや、えっと…その3人はバスケ部の上級生だな」

「すごいなよくわかったな」

「まあな、女子なんて入学初日に全員覚えたぜ」

「その脳があるんなら学年最下位なんてならないだろうに」

「仕方ないのさ、それに脳の容量を取られてるんだから」

「なら仕方ないか」

「諦めるのかよ!?まあ、いいや市川はこの3人は辞めといたほうがいいんじゃあないか」

「なんでだよ」

「この3人結構人気だけどちょっと良くない気がするんだよ」

「なんかそういう噂か何かあるのか?」

「いやそういうのは無いんだが・・・」

「竹内の目が節穴っていうことは」

「ないな」

「そうかわかった。」

「なんだ今回は諦めが早いな」

「まあ、お前を信じてみるさ」

「おお、とうとう俺の」

ピッ

というわけで多分バスケ部の上級生ということが分かった。

あとは、聞きこむしかないな・・・


次の日僕は上級生の教室に来ていた。

さあ、僕頑張るんだ!!

心を必死に奮い立たせる。

さあ、ドアを開くぞ!!

「あれ、君どうしたの?」

扉が開き中から上級生の男が出てきた。

おわったぁぁぁ!!!

もう頭の中はパニックだ。言葉が何も思い浮かばない

「えっと、誰かを呼びに来たの?」

上級生の先輩が僕にそう話しかけてくれた。

「えっと、バスケ部の岡本先輩は居ますか・・・」

昨日竹内からバスケ部の先輩をあらかじめ聞いておいた。

なんて。準備万端なのだろう。

僕をほめてやりたい

「僕の事ですね」

「あ、えっと、そうなんですね」

「まさかバスケ部に入りたいとか!?」

「い、いえそうではなくて」

「ん?じゃあ何かな?」

「3人の女子について聞きたくて・・・」

そこで昨日聞いた3人の名前を言った

「あ~あの3人ね・・・ちょっと向こうに行こうか」

そう言い廊下の端の方に移った。

「多分あの3人だろ」

そういうと先輩は指をさした。

指をさした方にはあの3人組がいた。

「実はちょっと最近ピリピリしてて」

「どうしてですか?」

「それはね・・・ちょっと言いにくいんだけど。レギュラーメンバーに選ばれなかったんだ」

「は、はあ」

「いや、まあ実力が足りなかったと言えばそうなんだけど、後輩がレギュラーメンバーに選ばれちゃって・・・」

「それで嫉妬みたいなのが出てきたと」

「まあ、嫉妬よりも屈辱的なんじゃあないかな」

「それで最近ピリピリしてるんですね」

「まあ、そうゆうこと。だから、今はあんまりかかわらない方がいいと思うよ」

「そうですか。ありがとうございます」

僕は急いで教室に戻った。


教室に着くと竹内がこちらに気が付いてきた。

「どうだった?」

「あの3人最近ピリピリしてるって」

「そうなのか。ドンマイ」

「なにがドンマイだ」

そんなことを話すと僕は自分の席に戻りこの後どうするかなと考える。

山田さんももう来たみたいだ。

昼休みはまた山田さんが暴力を振られるのだろうか。


昼休みになりまた山田さんが教室を出た。

僕は前と変わらず竹内に用事があると言って山田さんの後をついていく。

山田さんはやはり体育館裏に入って行った。

覗いてみるとやはりあの3人組と山田さんがいた。

僕は証拠を押さえるためにスマホで動画を取った。

今回も前回と同じように山田さんが暴力を振るわれていた。

僕は止めようとも思ったけど我慢した。

そして、昼休みのチャイムが鳴り僕も教室に戻った。


学校が終わり家に帰ると山田さんからのDMが届いていた。

僕はそれに返事をすることにした。


次の日僕は動き出した。

朝早く教室に行き荷物を置いて上級生の教室に向かった。

そこで岡本先輩に3人を呼び出してくれないかとお願いした。

岡本先輩はしぶしぶ引き受けてくれた。


僕は空き教室で3人を待った。

しばらく待った後

ガラガラ

扉があき3人が入ってきた。

「なによこんなところに呼び出して」

「めんどくさい」

「なにこいつ」

3人はいらいらしているように落ち着きがない。

「あの先輩この映像分かりますか」

そう言い僕は撮った映像を見せた。

3人はこれを見ると青ざめた顔になった。

「これを学校に提出されたくなかったら山田さんにこれ以上かかわらないでください」

僕は3人に向けていった。

3人は少し驚いた顔をしている。

「へ、それだけ?」

「それだけです。分かったら出て行ってください」

3人は眼を合わせて頷くと教室から出て行った。

はああ~

体から力が抜ける。

やった。やったんだ。

僕は達成感に満たされた。


それからというもの僕は教室に帰り自分の席に座った。

隣を見るといつもと変わらず山田さんが来ていた。

僕は山田さんに伝えたい気持ちがあったがぐっとこらえ横顔を眺めることにした。

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