第4話 メール
やってしまった。あ~あ、終わった終わった。これで晴れてずっと連絡を待っていたきもい奴の出来上がりだ。
絶対気持ち悪く思ってるだろうな~
もう嫌だ…そうして僕はベットの中に突っ伏した。
しばらく経ち少し立ち直れたので俺は再びメッセージを見ることにした。
そこには‘’相談に乗ってくれませんか‘’ということが書かれていた。
なぜ僕に相談するんだ?という気持ちと、こんな僕が相談に乗ってもいいのかという気持ちになったがまあ、ネット上だから僕だとバレないし、いいだろうという気持ちで相談に乗ることにした。
‘’ぜひ‘’と僕が送ると一瞬で帰ってきた。
やっぱり斎藤さんはまめな人なんだなと実感した。
そして、相談が始まった。
結論から言うと僕の事でした。
今日学校で男子を怯えさして相手が教室から逃げるように出て行ってしまい、私が悪いのではと思いこの後どうすればいいのか。という相談だった。
このことから思うに天使は本当に存在するのだということが証明された。
これは、対照実験から見ても分かるだろう。
まず、年齢を同じ条件としよう。
一人は相手を前にすると何も話せなくなり逃げるように立ち去り、さらに相手の事を傷つけた。
片方は、自分から話しかけたのに無視され、逃げられ、自分が悪いのではないかと自分を傷つけた。
このことからわかるだろう。
どれほど僕が最低か。
本当になんで相談を受けてしまったのだろう。
なんか、斎藤さんに申し訳ない。切にそう思う。こんな僕が相談を受けたらだめだろう。
だがしかし、この質問に答えないことはもっと失礼に当たるのではないか。
斎藤さんも真剣なのだ。こちらも真剣にならないといけないだろう。僕はそう心を奮い立たせ答えた。
「多分、あなたが美しすぎて混乱しただけですよ」
…真剣だ。僕は自分が感じただけの事を言っただけなんだ。僕は悪くない。だから絶対にごめんなさいとは言わない。言うもんか。
「そうなんですかね…実はそのあと白目で授業を受けてたんですけど…」
「それは、高画質で脳内で映像を再生していたのでロードに時間がかかっていただけですよ」
本当だ。あの間は脳内処理が追い付かず白い画面に黒い丸が円を描くように動いていたのだ。本当だ。例えば最新のスマホで写真を送る時、確かに写真はきれいに取れたさ、しかし、相手に送る時写真の読み込みで前の機種の方がスムーズに送れたなと思うときがあるだろう。それだ、高画質ならではの悩みだ。
「では、私は彼にそうしたらいいですか」
…まてまて、これはゼミでやってないぞ。初見問題だ。さっきまでの相談はその時の感情を書き出すといういわば国語のような問題だ。
しかし、これは違う。未来の事なのだ。僕が変なことを言えば斎藤さんの行動が変わってしまう。いわば、過去にあった少しのきっかけで銀行が潰れてしまうことがあったのだ。今回も確実にその規模の話になってしまうだろう。
例えば、あした謝ってみたら?とか言ったらどうだろう。
確実に僕が罪悪感で潰れる。なのでこれは無しだ。
じゃあ、何もしなくてもいいんじゃあない?とか言ったらどうだろう
確かにこれが波風立てずに済むかもしれない。だがしかし、だったら僕に相談する意味がないのではないか?これは僕の勝手な考えだが何かをしたくて僕に相談してきているのだろう、何もしないとなると斎藤さんの気持ちが晴れないのではないか?
…う~む、どうしょうか…
でも、正直僕は斎藤さんと話してみたいという気持ちがある。ここで僕が声でもかけてあげたらいいんじゃない?とか言えばいいのかもしれないけど…
そんなことを悩んでいると斎藤さんから連絡があった。
「私明日話してきます」
この返事が来たときには止めることができたが僕は「いいと思います」と賛成しているような返事をした。
次の日確かに斎藤さんが僕に話しかけてくれた。僕も話しかけられるということは知っていたので特にテンパらずに話すことができた。
しかし、僕の中で少し罪悪感が出てきた。
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