4話 トリック判明

「犯人はこのスマホだったんだ!!」

 俺は大声で皆に行ったが、皆、真顔になったかと思うと笑い始めた。

「何言ってるんですか?そんなわけないでしょw」

「意味わからないですw気でも変になりましたかw?」

「先輩!ふざけるのはやめましょうよw」


「ふざけてなどいない!!!」

 俺は、この家のある山中に響き渡るような大きな怒声を皆に浴びさせた。

 さすがに皆、気まずそうな顔になって黙り込んだ。


「今から俺の推理を始める。これは事故だったんだ!!」


 そして、俺はこの事件、いや事故の推理を語り始めた。

「真取、あいつは朝風呂に入るのが日課だった。それが今回の事件を生んだんだ。あいつはお風呂にスマホを持って行っていたのではないだろうか。お風呂にスマホをそのまま持って行ったらどうなる?」

「水滴がつきますね」

 と後輩が言った。

「そう、水滴、それがこの事件を生んでしまった。水滴は電気を通す。そのため、スマホに誤作動をもたらしてしまう。俺も昔、スマホをよく風呂に持って行っていたのだが、ある日、水滴による誤作動でネットショッピングの注文をしかけたので、止めたんだ」

「あっ…」

 監察官の一人が何かを察したような顔になった。

「そう、水滴がこの館を動かすIoTアプリ内のスイッチを作動させてしまったんだ。お風呂場でそのことに気づいた、彼は大急ぎで、ドアを開け続け、縦に伸びるまでは、一番空間が広い自分の書斎に逃げ込もうとした。しかし、地響きの中、しかも、お風呂に入った後の足が濡れた状態の彼は盛大にコケてしまった。彼が倒れたまま、家は縦に伸びて、彼の身体はきれいに5つの部屋にバラバラにねじ切れた。まあ、この推理だと、2つ目のドアの謎は残るが…2つ目の家のドアは換気のために開いていたのか、それとも地響きで開いたのだろう。そして、アプリはまた、水滴を読み取り、また誤作動を起こした。家を元通りにしたんだ」

「そういうことだったんですか!」

 後輩の刑事は謎が解けてすっきりしたような表情になった。


 かくして、立方体型・マトリョーシカ・密室・バラバラ殺人事件は幕を閉じた。

 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る