幼なじみは小動物

那須茄子

幼なじみは小動物

 幼なじみの旭最浮あさひもふは、とにかく小動物みたいな奴だ。

 年月が経つとともに身長差ができて、ここ最近は常々そう感じることが多い。


 なにせ身長だけでなく、小麦色の肌や垂れ目、ふんわりした柔らかそうな髪といった要素全て含めて。

 ちょこまか動くハムスターを思わせる。


 今もああやって、図書室の高い棚から本を取ろうと跳ねている姿なんか、まさしく小動物がする行動っぽい。



「じーっ」

「....傍観してる暇あるなら、助けなさいよ!?」

「えっと、俺のことか?」

「そう! あんたしか居ないでしょ~が!」

「分かった分かった。 だからそう、声を荒げるなよ。図書室なんだしさ」


 

 不満気な最浮を宥めてやりながら、俺は最浮が取ろうとしていた本を難なく掴んでみせた。

 まぁ、当然といえば当然なんだが。


「ひゃう~っ」


 変な鳴き声とともに、半泣き状態になる小動物。

 

 どうやら俺は、最浮に大きなショックを与えてしまったようだった。

(ちなみに、俺の身長は167㎝。最浮は146㎝

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