激闘
何故かアンチマジック下においても魔法を使うことが出来たリーベ。
そんな存在へと困惑することになった僕ではあるが、それでも彼女は味方なのだ。警戒する必要もない。
問題がある訳でもない。
心強い味方と共に、僕は魔物と向き合うことになった。
「行きますわよ、ミエド」
「えぇ、任せて」
僕はミエドと共に目の前にいる魔物との距離を詰めていく。
「ガァルル」
それを受けて動き出した魔物。
その魔物が振り下ろしてきた腕を僕は自分の手にある剣で受け止めて抑える。
相手の魔物は、その体が大柄ではあるもののあくまで人型。
戦い方は対人のものでいいだろう。
「お願いね」
「えぇ」
僕が強引に力で魔物の動きを止めたと同じ頃にミエドが剣で魔物へと斬り掛かる。
「流石にそれじゃあ防げないわよ?」
ミエドの剣に甘く合わせただけの腕を軽く避けた彼女はそのまま肩を斬り捨てる。
「ガァ!?」
魔物が悲鳴を上げると共にミエドはその位置を背後へと移動。
それと共に遠距離から構えるリーベが銃を発砲。
弾丸が確実に魔物の肩を撃ち抜き、ミエドが傷をつけた腕をそのまま弾き飛ばて地面へと落とす。
「動かすなんて許さないわよ?」
肩腕が消し飛ばされ、背後にミエドが立つ。
そのような中で魔物がその体を動かそうとするが、彼の右腕を剣で抑えている僕がそれを許さない。
「はぁ!」
そんな中でミエドは剣を一振り。
確実にその背中を大きく斬り裂くと共にそのまま首を狙って剣を振るう。
「かった……っ!」
首を狙ったミエドの剣。
それは魔物の分厚い皮によって弾かれてしまう。
「変わるわっ!」
それを受けてミエドは攻撃参加を僕に任せ、その剣で僕の代わりに魔物の腕を抑える。
「美味しいところは奪ってしまいますわ」
それを受けて僕は大きく躍動。
動きを止めた魔物の首へと僕は力強く剣を叩きつける。
「ガァ!?」
ただ力任せな僕の剣。
それは確実に魔物の首に入るのだが……確実に斬り落とすことは出来なかった。
僕の剣は魔物の首の半分のところで完全に止まってしまった。
だが、それでもう十分だろう。
「私ごといいですわ」
「了解です」
僕が首をかたむける……それと共に後方から放たれた弾丸が確実に魔物の首に触れ。
「……ァァァァァァアアアアアアアアアっ!」
そのまま確実に魔物の首を消し飛ばした。
「結局私も譲りましたわ」
最後に魔物を討伐したのはミエドでもなく、僕でもなく、リーベ。
その事実を前に僕は苦笑しながら剣を魔物より引き抜くのだった。
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