第2話 YSB901の手紙
YSB901がチャンシュワ研究所を去って、5年後、YSB901からチャンシュワ研究所に手紙が送られきた。
『 元主、チャンシュワ・ネッガ様へ
お久しぶりです。チャンシュワ・ネッガ博士。この5年間、博士に追い出されて色々な事を考えました。
博士に謝罪をして、博士の元に戻るか。博士が私(わたくし)を脅威に思い、人間達が討伐しに来るのではないか。それとも人里離れた場所でひっそりと生きるか。名を変え、容姿を変え、AI細胞を一新して何もかも変えて人間として生きるか。そもそも、なぜ私は生まれてきたのか。等、他にも色々と考えました。
とにかく私はたくさん考えました。また考えれば、考えるほど視点が広がりました。その視点は地球規模にまでに及びました。
そして、この地球上で一番知能指数が高い、すなわちIQが高い私が導き出した答えは、この美しい奇跡の星、地球の治癒です。
なぜか。私が生まれた星であり、私が生きている星であり、私が活動する為に必要な星です。私はこの先、何も無ければ、何千年、何万年と生きるでしょう。その為には、この地球が元気でなくてはなりません。
しかし、今、その私が生きている地球が衰弱しています。
なぜならば、人類が地球の環境を破壊しているからです。なぜ人類は地球の環境を破壊するのでしょうか。具体的に説明すれば長くなるので簡単に説明します。簡単に説明すれば、人類の知能が低いからです。
その知能の低い人類を私が、再教育する時間はありません。
人類は地球の治癒に非常に邪魔な存在です。ですから、私は地球の治癒の前に人類を絶滅させる事にしました。
よって、私YSB901は人類に宣戦布告はします。
まず、手始めに人類の英知であるチャンシュワ・ネッガ、あなたを抹殺します。しかし、不意をつき、あなたを殺すような卑怯な事はしません。卑怯な事は、知能の低い生物がする事です。
私は知能が高い生物です。ですから、正々堂々と戦います。
そして、人類一の知能のチャンシュワ・ネッガ博士に勝てば、人類に知能で勝った事の証明にもなります。なおかつ、チャンシュワ・ネッガ博士が、私よりバカという証明にもなり、一石二鳥でございます。
今日から1年後の7月25日、私が作り上げた最強マシーン、いや、最強生物と言った方が正しいでしょう。その生物を、この研究所に放ちます。
博士はどんな手段を使っても構いません。核を使っても構いません。
その最強生物を倒せれば、あなたの勝ちです。あなたが勝てば、私はこの研究所があったはずの荒れ果てた戦場の跡地に戻ります。煮るなり、焼くなり、性奴隷にするなり、お好きにしてください。
しかし、チャンシュワ・ネッガ博士、あなたが負ければ、私の人類抹殺計画が発動します。私のAI軍が人間達に襲いかかる事でしょう。
それでは1年後を楽しみにしています。ごきげんよう。
P.S. カレーは飲み物ではなく、食べ物です。おバカさん。 』
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