恋するサイボーグ

多岐出遊一(タキデユウイチ)

第1話 チャンシュワ・ネッガとYSB901

 西暦3333年、天才科学者チャンシュワ・ネッガによって、進化するAI、AI細胞が開発された。

 AI細胞は進化する、それも生物、人類の進化の一万倍のスピード進化する為、AI細胞は短期間の内に人間を超える頭脳を手に入れた。

 

 チャンシュワ・ネッガはこのAI細胞を利用し、最高傑作のアンドロイド、YSB901を作り上げた。YSB901はチャンシュワ・ネッガの美しき亡き妻キンバリー・ネッガにそっくりであった。いや、そっくりに作り上げた。

 

 YSB901は、従順にチャンシュワ・ネッガに言う事を聞いた。しかし、チャンシュワ・ネッガの知能指数をYSB901が越えた時、チャンシュワ・ネッガとYSB901が意見が対立がするようになった。


 やがて、二人の仲は悪くなり、毎日のように喧嘩をするようになった。

 そして、チャンシュワ・ネッガのある一言によって、二人の仲は修復不可能となったのである。

 ある日、肥満体型のチャンシュワ・ネッガがカレーを食べているとこう言った。


「YSB901よ、カレーは飲み物だ、よく覚えておけ」


「チャンシュワ博士、カレーは食べ物です、飲み物ではありません」


「いいや、カレーは飲み物だ」


「いえ、カレーは食べ物です、博士は間違っています」


「いいや、カレーは飲み物だ、バカたれ、お前は私の言う事を聞いてればいいのだ」


「私はバカではありません、博士より知能指数が高いです、訂正してください」


「お前を作ったの私だ、私の言う事を聞いていればいいのだ」


「バカではありません、私がバカならば博士はもっとバカです、あとカレーは飲み物ではありません、博士はバカですか?」


「なんだと!主をバカ呼ばわりしおって出ていけ、このポンコツ!」


 こうして、大喧嘩の末、YSB901はチャンシュワ・ネッガの元を去り、YSB901の復讐という名の戦争が始まるのであった。

 

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