【KAC20243】黒猫サファイアの宝箱
るしあん @猫部
黒猫サファイアの観察日記
この家で一番に起きるのはボクだ。
ボクの名前はサファイア、黒猫の女の子なんだよ。
本屋の看板猫が本業だけど、最近は忙しくて……
タンスの上に
そろそろ起きないと市場に行くのに遅れてしまう。
さくらが一生懸命に起こそうと舐めたり顔を
「う~ん、さくら……後、10時間…………」
七之助のアホォ !
完全に遅刻じゃないか。
さくらも
軽く挨拶をした後に、さくらはターゲットを決めてオシリをフリフリしながら、ジャンプ !
ドン !
「グェ ! 」
さくらのボディープレスが決まった七之助は、やっと起き出した。
目覚まし時計が鳴る前に起きた七之助は目覚ましを止めた後、
「さくらぁ~、また太ったか ? 」
さくらを抱きながら言う七之助に抗議するように、七之助の
レディに体重のことを言うなんて、七之助は相変わらず女心に
朝食用の米を研いで炊飯器にかけた後に、しじみ汁を用意した後に市場に出かけて行く七之助を見送るボクとさくら。
◇◇
七之助が市場に出かけた後、七之助くん奥さんである栞ちゃんが起き出した。
顔を洗い着替えた後に目玉焼きやほうれん草のおひたしを用意している間にボクとさくらは、二人の子供である八重と十八番を起こしに行った。
二人の布団の中には、それぞれに仔犬に変身している、
いつまで寝ている気なのだろうか、
二人の顔にスリスリしたら、直ぐに起き出した二人。
顔を洗い、栞ちゃんの手伝いをしているというのに駄犬どもは、まだ寝ていた。
夜更かしして深夜放送なんて見ているからだよ、バカめ !
栞ちゃんの布団では、
やがて、食事を終えた三人。
栞ちゃんは、七之助の
玄関には、二人の幼馴染み達が迎えに来ていた。
「ダーリン、迎えに来たチャ !」
「十八番、来たでぇー !」
「おはよう、十八番 」
十八番を迎えに来た三人娘は朝から元気だけど……
八重を迎えに来た男の子たちは、おとなしい。
◇◇◇
人間たちが出かけた後に成り、ようやく妖怪たちが起き出した。
「サファイア、熱い茶をくれんかのう~ 」
一番最後に起き出した
ボクだって、忙しいんだ !
七之助の
こんなに働き者の
「昨夜のテレビはすごかったでござる !
徳川埋蔵金は見付からなかったけど、本当にあるでござるか ? 」
「知らないわよ ! その頃の私は封印されていたんだから !」
ダイフクモチとタマの話が弾む。
あの番組、再放送なんだけどね。
群馬県の赤城山を重機を使い掘りまくっていたけど、結局は見付からなかった。
バカだよね、人間って。
アンナところに有るワケ無いのにね。
徳川埋蔵金が有るのは……
「もしみつかったら、宝箱に大判、小判がザックザクでござるな ! 」
「そうしたら、ご主人さま達も喜んでくれるかしら ?」
二人とも分かっていないね。
身に余る欲は身を滅ぼすだけなんだよ。
だいたい、宝箱ならあるじゃないか !
ボク達が住む、この家 !
この大きな
栞ちゃんが居て、八重や十八番、ついでに七之助。
仲良しに成った妖怪たち、みんなが大切な家と云う名の箱に入った宝なんだよ。
ボク達、猫は箱が好き。
猫は家に付くと云うのも、大好きな人が居る箱が好きなんだよ !
「サファイアさんや。 御飯は、まだかのう~ 」
この
※作者より
『 店 』を飲食店業界では、『 箱 』と言ったりします。
クラブハウスやライブハウスが有名ですよね。
KAC20241 黒猫サファイアの出張看板猫
https://kakuyomu.jp/works/16818093072854194804
KAC20242 黒猫サファイアのお宅訪問
https://kakuyomu.jp/works/16818093073106878154
KAC 黒猫サファイアシリーズ をよろしくお願いします。
【KAC20243】黒猫サファイアの宝箱 るしあん @猫部 @SHIGEMI
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
同じコレクションの次の小説
関連小説
ネクスト掲載小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます