第28話 EP4 (17) メル再登場

「初めまして。メルです」

「ニーモにそっくりじゃん!」

 クレアが叫んだ。


「姉妹みたいなものですから」

 メルがにっこり笑う。ニーモも少し引きつって微笑む。ニーモ自身もメルが何者なのか良く分かっていない。


「え、どういう関係?」とクレア。

「ごめんさ~い。まだ聞かないで下さい。秘密なんです」


 クレアは、メルはニーモに似ているが、えらく性格が違うなと思った。双子なのか? コロが割り込んできた。


「ほら、そういう話はいいから、メル、治療室のセッティング頼む。無菌室だぞ」

「あいよ、了解!」


 メルはしゃきっと敬礼してテキパキと作業を開始した。


「ウォード、そこの荷物じゃま! 無菌ビニールルーム広げるからどいてどいて」

 メルは手元から色々出していく。


「ドラえもんじゃん、どこから出してんだ?」

 ザックが驚く。


「ええい、面倒だ。オート!」

 メルが叫ぶと一気に緊急治療室が完成した。


「おおー」一同が拍手する。


「はい、誰が手術すんの?」

「ウォード!」クレアが叫んだ。

「はい、服装チェーンジっ。スローで」


 すると、ウォードの服が一枚一枚、キャベツの様に剥がれていく。

 ウォードは目を丸くしながら、慌てる。しかし手足の自由が効かない。

 上着……ズボン……


「おいおい、こんなところで脱がすなよ!」

 ウォードが叫ぶ。


「ごめんね~」

 メルがにやけながらウォードを眺める。ザックが呟く。

「あいつ、スローって言ったぞ。わざと遅くしてんだ」


 ウォードのシャツが脱がされる。


「きゃあ」

 ウォードが変な声を出す。クレアとニーモ、アーシャは口をポカンと開けたまま視線はウォードの体にロックしている。


 そして白いパンツが下がり始め……

(白なのか……)


「ストップ……」

 メルが止めた。そしてクレア達を見て再びニヤリとした。場の空気が固まっている。動くことができないウォードは冷や汗がたらたらと垂れる。


「はい、今回はここまでね~! クイック!」

 すると一気に白衣への着替えが終ってしまった。


「チッ」

 クレアの舌打ち。ウォードが言った。

「ふーっ。おい、メルとか言ったな、下着まで脱がす必要は無いだろうよ」


「いえ、菌が付いているものはダメでしょう? オペをなさるセンセ」

「菌なんてついてねーよ」

「はいはい。次は誰かな~」


 クレアが言う。

「助手はニーモ? それから患者のアーシャ」


 ザックとエリックが少し反応した。喉がなっている。何に反応したかって? それは当然着替え……メルは彼らが期待する様子を少し楽しんでから宣言した。


「男性陣、残念でした~。はい、女性はこちらで着替えてね」


 部屋から離れて、見えないところで着替えとなった。 男性陣は、ちょっぴり残念がった。

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