10分耐久戦

 (もう、このまま……)


 ユリアンからの攻めに耐えられず、自らの"勃起したチンコ"を、彼女の"オマンコに挿入"されることを、俺は受け入れ、目を閉じた。

 

 「……」


 しかし、いくら待っても挿入される気配は無い、気になって目を開けると、彼女は吐息を吐きながら、ずっと挿入する手前で止めていた・・・・・・・・

 

 「はぁ…はぁ…」

 「ユリアン…?」

 「……」


 何が起きてるのかわからない、しばらくして、彼女は口を開いた。


 「…に、逃げ……てくれ……」

 「……えっ?」

 「頼む…!!」


 彼女は必死に性行為セックスを耐えていた。

 何と言う精神力だろうか、《スキル》の力を前に、彼女は必死に抗っていたのだ。


 「こんな形で、君と行為セックスしたくない…!!」


 そう言って、彼女は泣いていた。

 彼女の瞳から涙が溢れ、必死で俺は逃げるよう訴えていた。


 「頼む……早く、早く逃げて…!!」

 「……」


 彼女が泣いてる理由は、性行為セックスしか頭に無い自分が怖くて、"何でこうなってるのか"、自分でもわからない・・・・・・・・・恐怖、それが原因だと思う。

 彼女が俺に襲ってきたのは、俺の《スキル》のせいだ。

 《スキル》がフェーズ2に移行しなければ、こんな事にはなっていない、つまり……こうなったのは俺のせいだ・・・・・

 俺が原因で・・・・・、彼女は泣いてしまった。

 そんな彼女を置いて、このまま逃げる…?

 いや……違うっ!!

 逃げるんじゃない、彼女を助けるんだ・・・・・…っ!!

 俺はすぐに勃起状態でパンツとズボンを履き、彼女の肩を両手で持った後、そのままベットに押し倒した。


 「え…?」


 突然ベットに押し倒され、彼女は涙目になったまま、こちらを見ていた。

 そんな彼女を前に、俺は──。


 「今から、君を元に戻す」

 「…なにを、言って……」

 「……」


 俺はゆっくりと顔を近づけ、彼女にキスをした・・・・・


 「んむ…」


 キスされた彼女は、思わず目を瞑っていた。

 俺はそんな彼女に向けて、何度もキスをし、そして今度は、彼女のクリトリスを触った。


 「ひゃ…っ」


 いきなり触られたことで、彼女は甘い声を発した。

 俺は何度も、何度もクリトリスを触り続けた。


 「やめ……ひゃう」

 「……」

 「んっ……ん…っ」


 クリトリスを触られた彼女は、色っぽい声を出し続けていた。

 これは言わば、耐久戦・・・だ。

 《スキル》の効果が切れるのは10分後、それまで俺の"理性"が尽きるのが先か、《スキル》の効果が"切れる"のが先か、俺は未だ勃起した状態、しかし止めるわけにはいかない、10分の効果が切れるまで、俺が主導権・・・を握り続ける・・・・・・!!


 「悪いけど、少しの間だけ……我慢してて」


 そう言って、俺は彼女の顔を見つめていた。


 「んっ……は、ハルト……」


 彼女も同じようにこちらを見ていた。

 なんか彼女の顔がうっとりとしていた気がするが、それは《スキル》の影響だろう。

 しかし、どうやって10分経過したことを確認しようか、まぁ続けていればすぐ終わるか、とりあえず今は彼女を助けるために、触り続けよう。


 (クソ……正直入れたい)


 クリトリスを何度も弄ったりしながら、オマンコを見ているため、また勃起してきた。

 俺まで性行為セックスのことを考えるようになってしまった。


 (しかし耐えろ……10分が経過するまで…!!)


 俺はその後子宮を指で触ったり、オマンコを甘噛みしたり、自分の理性と戦いつつ、何とか10分経過するのを待っていた。


 (そろそろ……か?)


 俺は一度手を止め、静かに彼女の方を見た。


 「あっ……はっ……♡」


 彼女はビクンビクンとしながら、ベットの上でくたびれていた。

 おそらく《スキル》の効果が切れたのだろう、そこから動く気配が無かった。

 俺は安心して、その場でヘタリこんだ。


 「はぁ……終わった」


 10分の間、自分の理性と戦い、どうにか《スキル》の効果終了まで耐え切った。

 これでとりあえず一安心ひとあんしん──。


 「大事な話・・・・は終わった?」


 後ろから、見知った声が聞こえてきた。


 「……」


 俺はそ〜と、後ろを振り向いた。

 後ろにはある少女が、仁王立ち・・・・でこちらを、上から見下ろしていた。

 俺は少女の名前を口にした。


 「えーと、日和さん?」

 「……」

 「いつから後ろに?」

 「……」


 無言でこちらを見てる。

 しかも蔑むような目でこちらを見ているため、俺は少し恐怖を感じた。

 しばらくして、彼女はようやく口を開いた。


 「ねぇ、これどう言うこと?」

 「……」

 「あと、部屋の外に声ダダ漏れだった」

 「……」


 どうしよう、「《スキル》のせいでこうなった!!」と、正直に言うべきか?

 しかしこの状況、どう考えても、俺がユリアンを襲った・・・・・・・・としか思われない、何を言っても、"言い訳"にしかならない気がする。


 「……ポロ」


 突然、彼女は泣き出した。


 「え?……え!?」


 何で彼女が泣いてるのかわからず、俺は焦った。

 彼女は涙目になり、指で涙を拭いながら、俺に話しかけた。

 泣いているため、声が少し震えていた。


 「別に、良いもん……君が他の女性とヤッても…」

 「え……ひ、日和さん?」

 「ユリアンさん、おっぱい大きいし、スタイル良いし」

 「お、おーい?」

 「私はおっぱい小さいし、スタイル良くないし……」

 「……」

 「ぐすっ……うっ…うっ……」


 彼女はずっと泣いていた。

 泣いてる彼女に、俺は何も言えなかった。


 「…ねぇ、"どっち"が好きなの?」

 「……え?」


 彼女は泣きながら、訳のわからない質問をしてきた。

 どういう意味なのか考えていると、彼女はとんでもないことを言ってきた。


 「やっぱり、ユリアンさんが好きなの?」

 「え!?」


 なぜに"ユリアンが好き"、ってなるのかわからない、しかし彼女は畳み掛けるように、俺に詰め寄ってきた。


 「だってそうじゃん、自分からキスしたり、クリトリス触ったり」

 「いや、それは……」

 「私の時は、そんなすぐキスしてくれなかったのに……」

 「えっ…あっ……」


 思い返せば、ほとんど彼女からのキスが多い、ユリアンにキスしてたのは、まぁ……うん。


 「しかも、勃起してたし」

 「それは言わなくていいよね!?」

 「だって本当のことじゃん!!」


 俺の言い分を聞き、彼女は泣きながら強く言い返した。


 「私まだ、君のチンコ見たこと無いのに」

 「ちょくでチンコ言うな!!」

 「じゃあ私にも見せてよ!!」

 「なんで!?」


 もはや何を言い合ってるのかわからなくなってきた。

 これって俺が勃起してるかしてないかの話だっけ?

 頭がおかしくなってきた。


 「とにかく、これにはちゃんとした理由があってだな」

 「……もういいよ。理由聞きたくない……」

 「なんでだよ」

 「どうせ私じゃ興奮しないんでしょ、だから勃起しなかったんだ……ぐすっ」


 彼女は再び泣き始めた。


 「……」


 もうどうすれば良いのかわからない、てか俺が泣きたい、ユリアンを助けるつもりで動いたはずなのに、それを見て日和が泣いてしまった。

 しかもなぜか俺のチンコが勃起した話になってて、どうすれば良いんだ?

 誰か教えてくれ……。

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