第10話
タングスクリュー。それは罪人の舌を出し、挟み込んで引っ張る拷問道具。
「でもでも、フォースおにーさんは、初めて僕の情報を暴いたすごい人だから、僕も全身全霊で応えるよ!タングスクリューをする前に、もう一手間加えよう!それでこそ、おにーさんの働きに酬いるってことだよね?」
シンが取り出したものは、そこらに転がっていたサビのはえかけたような器具ではなく、毎日、丁寧に磨き上げたであろう刀身やシンの手にぴったりと馴染む様子から、少々ヤバめのナイフだった。見た目自体は、ただの綺麗に手入れされたナイフだが、今までのシンの行動から類推するに、ただの武器であるはずがなかった。
「これはね、おにーさんの皮を剥ぐときに使ったやつなんだよー。切れ味がよすぎるから使いどころがあんまりなくて、でもでも、僕の1番の武器だから心配しないでね?」
男は今針の椅子の上。呼吸をする度に上下し、重力により沈んでいく体。針が至るところに刺さり大量の血を流させる。
大量の血を失っているのにも関わらず、意識ははっきりしている。シンの持っている刃に写る変わり果てた自分の姿。見方によっては人体模型ともとれるようなフォルム。なぜかこの場にある全てのものが、男の目には、頭には、はっきりと受け止められていた。
「じゃー、いっくよー!歯ーくいしばれ。舌を噛み切らないようにな?」
シンの言葉が終わる前に男は自分の顔の横当たり、つまり耳から暖かいなにかが流れてているのを感じた。
男にはそれがなにかを確認する術はない。ただ、両耳からの、情報が消えた。それだけでナニが起こったかを把握するには十分だった。
男は悲鳴を上げたが、上げたはずの声が聞こえない。声を出している感覚はあり、自分が上げている声にたいしてシンが耳を塞いでいるところをみると、相当大きな声を出しているようだとも読み取れる。
ひとしきり、声を上げたあとシンがなにかを言っていた。男には暗殺術に加え読唇術などの心得があったためシンが発したであろう言葉を理解することができた。
「出血がひどいから傷口を焼こうかなー?」
それから、シンは後へ向きな押し、なにかを打ち合わせ始めた。床には大小様々な大きさの木片や紙などが積まれている。火花が散る。床の木片に火が移り徐々に勢いをます。
シンはその辺に落ちていた鉄板を拾い上げ、火の中へ投下。鉄が赤くなったのを確認して、男の方へそれを持って近付いた。そして次の瞬間
ジュッ…
部屋に肉の焼ける匂いが広がる。男は悲鳴を上げ、痙攣していた。
その後は、タングスクリューで舌を捻り潰し、苦悩の梨を使いった。
苦悩の梨では、男の肛門から突っ込みだんだん器具を開いていった。ブチッという音と共に男の尻からは、大量の血と排泄物が流れ出た。それに加え、本来ならばでることはあまりない大腸までもがでてきた。この時点で男は既に虫の息だった。それでもシンは手を止めない。
「いやー、おにーさんがんばるね!こんなに拷問に耐えた人は初めてだよ。おにーさんの血の残りと反応から、次がラストかなー。最期まで気合いいれてこー!」
もちろん男には聞こえていない。
シンは先ほど使ったよりもだいぶ小さな苦悩の梨を取り出した。そしてそれを男ならば誰にでもあるものの中へ押し込んだ。先ほどまで反応が薄かった男が今までで1番の反応を示す。
シンは構わずネジを捻る。ゆっくりと。まるで食事での最期の1口を味わうかのように。完全に開ききると男の大切なところは機能できない状態になった。それと同時に男の目から光が消え男は死んだ。
「あーぁ、つまんない。もう終わっちゃった。」
顔についた血を服の裾で拭いながらシンはとても残念そうな声音で呟いた。
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