第7話
時は現在
「ねー、おにーさんはどれがいいと思う?やっぱりこれかなー?それともこっち?どれにしようかなー!」
シンの側にある机におかれていたのは、馴染みのあるものからそうでないものまで揃えられた拷問器具だった。あるものは、城の側にあるゴミ捨て場で入手し、またあるものは、シンがいつも寝床にしているごみ溜めにいつからかおいてあったものである。無論、自作のものまでもが並んでいた。
ガタガタ...男が体を震わせるのに会わせ彼の座っている椅子がおとをならす。
「よし!きーめた!やっぱりはじめはこれだよねー。おにーさんもそう思うでしょ?」
男の顔からは一切の色が消え失せ、表情は、まるで焦点が合っていないかのように瞳が常に動き、口は固く結ばれていた。はじめは手入れのよく行き届いてたきれいな黒髪だったが、今では真っ白であり、実年齢より老いてみさせていた。
それだけではない。白く染まった髪の間から見える男の顔には生気がなかった。ただ、受け入れがたい現実を前にして目を背けることに夢中だった。それゆえ、シンが話しかけながら近いて来ていることには微塵も気が付かなかった。
「ねーってばー!」
シンが男の顔を覗き込んだことで男はやっと自分がおかれた状況を思いだし、理解した。その瞬間、男はまたもや悲鳴を上げることになった。
「ギャァァァー‥グッ...アァァァァー!!!目が!左目がァァァー」
突然視界にスプーンが入ってきたかと思えば次の瞬間にはスプーンには自身の左目がのっていた。
シンはそれをさも宝物のように眺めていた。
「やっぱり、恐怖に染まった瞳がこの世で一番綺麗だよね?ピカピカキラキラ、ほんと、この世のもとは思えない。」
そう言った後シンは棚から中になにか液体のは行った小瓶を取り出し、くりぬいた瞳を入れた。そのまま蓋をして、壁に不自然に合ったレバーを下げた。すると、壁がゆっくりと裏返りなにかたくさんものがならんだ棚がでてきた。
男は片目がないため咄嗟には気が付かなかったが、徐々に棚全体が見え、行きを飲む。
棚に飾られた小瓶に詰められた多くの瞳が男を見ていたからである。
「はぁー、いつ見ても綺麗だよねー?君もそう思うでしょ?」
シンはてに持っていた男の瞳の入った瓶を棚の空いているところに置き振り返った。
「さぁ、楽しい楽しい拷問の時間の始まりだよ?せいぜい俺を楽しませろ!」
浮かべていた笑顔は先程の美しい笑顔ではなく、歪み、狂喜に満ちた笑顔だった。
「おっと、その前にまずは、お前の依頼主は誰だ?お前となかまたちの会話を聞く感じ、誰かに頼まれていたみたいだからな?嘘はつくなよ?もう片目がなくなるぞー?www」
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